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![]() エーカンバレーシュバラ、又はエーカンバラナータは星の数ほどある「再創造のための破壊神」のシヴァ神様の別名の1つ、でも私がこの名前を見たのは南インドのタミル・ナードゥ州の州都チェンナイ(旧マドラス)から南西77kmの距離にあるカンチープラムだけだったと記憶しています。 エガーターラーという非アーリア系のチェンナイの守護女神がいるのですが、タミル語感から察するにこの方とも何らかの関係性があるのかもしれません。 この女神様もチベット密教風のターラーという語尾がミステリアスですよね。 そんな非アーリア系のドラヴィダ文化がインドで最も濃いタミル・ナードゥ州に位置するカンチープラムは、ヒンドゥー教の7大ティールタ(聖地)の1つ、南インドのヴァラナシ(ベナレス)とも言われる重要な場所。 7大聖地とは、1・アヨーディヤ、2・ウッジャイン、3・ハリドワ-ル、4・マトゥラー、5・ヴァラナシ、6・カンチープラム、7・ドゥワールカ、そして7ヶ所の中でも南インドにあるのはカンチ-プラムだけです。 4C頃に開かれたカンチープラムはパッラヴァ朝の首都として栄え、続く9C頃からのチョーラ朝でも隆盛を保った古都。 高さが100mにも及ぶゴープラム(切石を積み重ねたドラヴィダ様式建築の尖塔)が建ち並び、敷地面積もこの町最大のエーカンバレーシュバラ寺院の内奥に祀られている巨大なリンガは、南インドの5大リンガの1つを形成しています。 寺院の内庭には樹齢3500年のマンゴーのご神木があったのですが、残念ながら2005年の大雨で無残にも倒れてしまいました。 この寺院の壁面には涅槃仏や結跏趺坐で坐る仏陀のレリーフがあり、元々は仏教寺院だったのではないかと言う学者さんもいらっしゃるように、カンチープラムはタミルでは13Cに衰え、17Cには滅んでしまった古代の仏教の中心地の1つでもありました。 中国に禅をもたらしたと言われるボーディダルマ(赤いダルマさんのモデルでもある菩提達磨)、大日経とともに密教の2大経典を成す金剛頂経をやはり中国に伝えたヴァジュラボーディ(真言八祖の第3祖の金剛智)など、日本とも縁の深い仏教僧達の出身地説もあるようです。 花嫁衣裳にはカンチ-・サリーか、ヴァラナシ・サリーか、ダッカ・サリーを着るのが若いインド女性の夢とよく言われるようにカンチ-プラムは絹織物の名産地。 そのハンドルーム(手織り)の伝統はパッラヴァ朝にまで遡り、金や銀の糸で模様を施した高級な美しいシルク・サリーは南インドの保守的なバラモン女性などからも愛好され続けています。 【海のシルクロード】はもう1つの壮大なネットワーク・システム、シンガポールには現在も多くのタミル人が住んでいますがそこから日本までは海上を船で進めばあともう一息です。 (海のシルクロードつながりで良かったらこちらもどうぞ~。) タミル語はインドのタミル・ナードゥ州だけの言語ではなく、スリランカやシンガポールでも公用語の1つ。 「日本語=タミル語起源説」の大野晋さんによれば、「コメ、ナヘ、アゼ、タンボ、カネ、タカラ、オル、ハタ、マツル、ハカ、アハレ、サビ」などの何百という単語にその類縁性が認められるそうですよ。 大野晋さんのお説をほんの少しご紹介: <日本に来たのはタミル語という言葉だけではなく、米、金属、機織りなどもともにやって来ました。 この文明複合体は当時としては圧倒的なパワーを持っていた、今のインターネットなどと同じような猛烈なテクノロジー。 ですから日本人達はそれについていって消化したいと考え、ものの単語や文章をはじめ「係り結び」も「五七五七七」も覚えて全てがそこへ巻き込まれいたのが朝鮮半島からの文明が流入する以前の弥生時代の事でした。 「カミ、モノ、ハラエ」などの古い祭祀は用語も内容も、何故か古代日本語と古代タミル語ではほとんど同じなのです。> インダス文明を築いたインドの原住民のドラビタ族の仲間であるタミル人は、BC1500年頃にアーリア人の侵入を受けてインド南部へと追いやられました。 アーリア人の築いた文明はその言語のサンスクリット語に象徴されるように圧倒的に優秀なものだったので、それに対抗する事は困難を極めたようです。 タミル語はその起源をインダス文明に遡り、さらにメソポタミア文明へと遡ることが出来ます。 そこに大野晋さんの説を加味すると、日本語の起源は遠くシュメー人の文明まで遡れる事になり海と陸のシルクロードが微妙に交差し始めますよね。 ウラル・アルタイ語族に所属し、中国語の漢字を使い、「ハナッカラ」の「ハナ」は韓国語で「1」の意味、そんな日本語の起源についてはタミル語説の他にも諸説が存在しています。 シュメール語説、ヘブライ語説、アラビア語説、マオリ語説、ポリネシア語説などなど、よく考えてみると意味不明の「チャント」「キチント」などは韓国語、「ソイヤ、ソイヤ」や「ワッショイ」などはアラビア語、「エッサホイサッサ」などはヘブライ語がそれらのルーツなどの興味深いお話の数々。 人間も国境も言葉も常に変化し続けている生き物なので真実の所は不明ですが、いくつかの類似語があるとちょっとそんな気にもなって来ます。 意識を拡げて心を柔軟にして、音から導かれるイマジネーションを遊んでみるのもおもしろいかもしれませんね。 インダス文明にその起源を持つとも言われ、ヨーガのグル(師)の中のグルでもある最もポピュラーなエーカンバレーシュバラ=シヴァ神様も、BC1000~BC500に成立したリグ・ヴェーダでは暴風雨の神格化である荒ぶるルドラ神様(咆哮を上げる者という意味)の別名として以外にもマイナーに登場。 後には仏教にも取り入れられ、 不動明王 、 降三世明王 、大黒天、伊舎那天、大自在天などにもなりました。 シヴァ神様は名前も姿も変化も神話もゴシップ・ネタもやたらと多い中々のプレイボーイ、これは多分元々の南インドの地元神をヒンドゥー化する際に都合の良いキャラだったからなのでしょう。 上の図像はシッダ・アーサナ(半跏趺坐)もクールな、深~い瞑想状態のヨーギ(ヨーガの修行者)・ヴァージョンです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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大学で日本語学を少しだけやっていたので
今回の記事はとても楽しく拝見しました やはり日本語の単語は さまざまな言語から流入してきたものが 時代を下り転訛していったと見るほうが とても自然だと思えます そして書いておいでの古タミル語との類似の中で 揚げられている単語からは 稲作文化とそれにまつわる信仰を感じました 韓国人の友人と以前話したときにも 琉球語と韓国語の単語の類似性が話題になって 面白いね~と言い合ったりしましたし 現代人が思うより ずっとずっと昔からもっと密接に 各地がつながっていたんだなぁと実感しました 笑 汎太平洋文化圏なんてものより 実際はワールドワイドなんですねぇ (2007.08.14 11:15:23)
shivaさま~☆と思いながら、読み始め、
私の大好きな言語のお話☆ アンテナがピクピク反応してしまいました。 以前住んでいた大阪には、天王寺ワッソというお祭りがありましたよ。 おばあちゃんの初盆で、お坊さんにお経をあげてもらいながら、ずーっと耳を澄ませて、聞きいってしまいました。 (2007.08.14 16:19:10)
☆パラダイス1111さん
タイにお住まいなんですね~♪ ^^v タイの寺院には何とも言えない至福感があって・・・とっても好きなんですよ。 ^^/~~ (2007.08.14 21:57:44)
☆筆譯大叔さん
差し障りがありそうなので、あまり大っぴらには書けませんが、スメラミコトノスメラハシュメールノコトというお話もあるんですよ。(あっ、書いちゃった~、笑。) ^0^/~~ (2007.08.14 22:10:16)
☆火水ハヌルさん
日本語学、興味深そうですね~♪ (*^-^*) 物見高いので旅行や仕事を通して、いろいろな国に行って住んでも来たのですが、世界中の妙な場所で妙な共通性に気づく事が多かったんですよ。 地球中はどこでも、思ったよりはるかにつながっていますよね。 (^ -)v 先日もTVでアフリカのナミビアのとある部族の生活を見ていたら、そこの長老が毎朝家の前でご先祖様をお迎えする火を焚いてから一日を始めていました。 今時の日本ではタイムリーな【迎え火】!!! でもナミビアでは毎日が迎え火・・・。 おもしろいですよね~♪ ^^/~~ (2007.08.14 22:34:14)
☆suryaY~O~K~O~さん
ブログ上の写真で拝見させて頂き、お盆の飾りがとってもきれいだな~と感心いたしました。 (o^-')b お盆の風習も日本中地方色が豊かで本当に様々、いろいろな場所で見聞きするといつも興味深いのです。 !(@@)! 天王寺は過去の対外的な日本のお玄関の1つでもあった堺の港が近いから、多分相当エキゾティックなものがあるでしょうね。 (^ -)v アラブのダラブッカ(ドラム)・ソロ♪を聞きながら散歩していた時、外側からもそっくりな音が聞こえてきたので見てみたら・・・それは何とニッポンの祭りばやし♪だったのでした~。 ^0^/~~ (2007.08.14 23:12:52)
laxmi_さん
もしかしてナミビアの赤い民ですか?? だったら私も見ていたと思います 照 世界の文化の共通項って 以外とおおいですよね~~ 他の方へのコメントのお返事を拝見していて (*'')(*,,)(''*)(,,*)ウンウンと うなづくことしきりでした ちなみに天王寺ワッソのワッソは もしかして韓国語ですか? 偶然かしら・・・? (2007.08.15 22:13:57)
☆火水ハヌルさん
TV、、うふ。。 ^ - 「火を焚いてご先祖様を迎える」という類型を見たのは、日本以外ではナミビアの赤い民だけ・・・この発見に結構感動している私です。(笑) ^0^ 女性達が牛の角状の頭飾り(ハンドバッグ)をつけていたのにも、牛頭天王などを連想してちょっと興奮いたしました。 !(・・)! 天王寺ワッソ・・・ワッソ?? \(@@)/ 韓国語には全く明るくないので、そのうちヨン様語を話せる方に聞いてみます。(笑) ^^/~~ ただ歴史的には、渡来系の方達も多く居住した土地柄みたいですよね。 (o^-')b (2007.08.16 00:33:29)
わーい。私も知ってる!シヴァ神だ。
とおもったら、アカデミックなお話とコメントにいささか?な私です。 でも、 バラタナティアムではいろいろシヴァ神を讃える踊りがあります。次の練習曲はシヴァ神の曲がいいなぁと密かに考えていたところでした。一回では理解し切れそうもないのでまた、勉強に来ます。よろしくどうぞ~。 (2007.08.16 23:21:19)
はじめまして、Laxmiさん
私の、ふざけたBLOGをたびたび見ていただいてありがとうございます。「いつか、ごあいさつしなければ」と、常々思ってはいたんですが… ご存じのように、私が住んでいる、インドネシア・バリ島では、ジャワ島を経てインドから伝わったヒンズー教が「バリ・ヒンズー教」と若干アレンジされてはいますが、日々の生活の中心となって篤く信仰されています。 インドネシアおよびバリのローカルTVでは、しばしばインド神話(インドTV局制作)のドラマが放送されていて、もちろん私自身も大ファンです。 特に「オーム・ナマッ・シバ」は、音声はタミル語のまんまインドネシア語字幕で、けっこうツライんですが、よく見ていました。もちろん「マハー・バラタ」や「ラマーヤナ」、「シュリー・ガネーシャ」なども(音声インドネシア語吹き替え)大好きです。 ヒンズーのふるさと、インドへ行ってみたいのですが、なかなかチャンスがありません。最近、私の村の舞踊グループが、インド公演に行くような話がありますので、実現したら、必ずくっついて行ってやろうと密かに狙っているところです。 (2007.08.17 02:03:02)
☆nyanko2359さん
アカデミックというよりはマニアックかもしれませんね、ワケワカメでしたらスマソ。 <(_ _)> 貴重なお時間を割いて読んで下さる皆様には、毎回本当に感謝&感謝なのでございますよ。 ^ - シヴァ神の変化の1つは、踊りの神様のナタラージャ様。 ♪(^^)♪ シヴァ神にはた~くさんの顔があって・・・イマジネーションが膨らみますよね。 ^^/~~ (2007.08.22 01:46:27)
☆Pak Deさん
バリ島の方達の、本当に【敬虔な】という言葉がピッタリの日常的な信仰心って美しいですよね。 (o^-')b 東南アジアの方達は時にタフなインド人様達よりも、雰囲気がしなやかでおしとやか~といつも感じている私です。 (*^-^*) ヒンドゥー教徒でも、バリ島の方達はそれほど厳格なベジタリアンではないのですかしらね? ^ - バリの舞踏はもちろんステキ♪ インテリアのセンスも家具なども大好き♪ どうぞよろしくお願いいたしますね。 m(_ _)m (2007.08.22 02:09:44)
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