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2018.09.29
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カテゴリ:徒然草を読もう
第二百二十六段
 後鳥羽院の御時(おおんとき)、信濃前司行長(しなののぜんじゆきなが)、稽古の誉(ほまれ)ありけるが、楽府(がふ)の御論議(みろんぎ)の番に召されて、七徳(しちとく)の舞を二つ忘れたりければ、五徳の冠者(かんじゃ)と異名(いみょう)をつきにけるを、心憂き事にして、学問を捨てて遁世(とんぜい)したりけるを、慈鎮和尚(じちんかしょう)、一芸あるものをば下部(しもべ)までも召し置きて、不便(ふびん)にせさせ給ひければ、この信濃入道を扶持(ふち)し給ひけり。
 この行長入道、平家物語を作りて、生仏(しょうぶつ)といふ盲目(めしい)に教へて語らせけり。さて、山門のことを、ことにゆゆしく書けり。 九郎判官(くろうほうがん)の事はくはしく知りて書き載せたり。蒲冠者(かばのかんじゃ)の事は、よく知らざりけるにや、多くのことどもを記しもらせり。武士の事、弓馬(きゅうば)のわざは、生仏、東国のものにて、武士に問ひ聞きて書かせけり。かの生仏が生れつきの声を、今の琵琶法師は学びたるなり。
  

現代風訳
 後鳥羽院の御時、信濃前司の行長は、学問の名声が高かった。しかし漢詩の勉強会に(天皇の)御前での討論をする一人として召されて、『白氏文集』にある「七徳の舞」のうち二つを忘れてしまったので、五徳の冠者(かんじゃ)という不名誉なあだ名がついた。恥ずかしく思って、学問を捨てて世を遁れていた。慈鎮和尚(じちんかしょう)が、一芸ある者を下郎までもそばに召し置いて、面倒を見られていたので、この信濃入道の生活の世話をなさった。
 この行長入道、平家物語の作者である。生仏(しょうぶつ)という盲目の者に教えて語らせた。それで、比叡山延暦寺のことを、特に緻密に書いたのだ。九郎判官義経のことは詳しく知って書き載せた。蒲冠者範頼のことは、よく知らなかったのだろうか、多くのことを書きもらしている。武士の事、弓馬のわざについては、生仏は東国出身の者なので、生仏が武士に尋ね聞いて行長に書かせた。その生仏の生まれついての東国なまりの声を、今の琵琶法師はまねているのである。

四つ葉葉四つ葉
七徳:中国における武の七徳。禁暴・戢兵・保大・定功・安民・和衆・豊財
七元徳(しちげんとく):カトリック教会の教義における7つの基本的な徳。古代ギリシアの知恵、勇気、節制、正義の4つの枢要徳+『新約聖書』のパウロの手紙に見られる信仰、希望、愛の3つの徳を加えたものである。





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最終更新日  2018.09.29 07:00:19
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