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第二百三十段
五条内裏(ごじょうのだいり)には、妖物(ばけもの)ありけり。藤大納言殿(とうのだいなごんどの)語られ侍りしは、殿上人(てんじょうびと)ども黒戸(くろど)にて碁をうちけるに、御簾をかかげて見るものあり。「誰(た)そ」と見向きたければ、狐、人のやうについ居て、さし覗きたるを、「あれ狐よ」ととよまれて、惑(まど)ひ逃げにけり。 未練の狐、化け損じけるにこそ。 現代風訳 五条の皇居には妖怪がいるということである。藤大納言殿(二条為世)が話すには、皇居に上がることを許された男たちが黒戸の間で碁に耽っていると、簾を上げて覗き込む者がある。「誰だ」と振り向けば、狐が人間を真似て、立て膝で覗いていた。「あれは狐だ」と騒がれて、あわてて逃げ去ったそうだ。 未熟な狐が化け損なったのだろう。 ![]() ![]() ![]() 立て膝で覗くキツネ・・・に擬えられたのは・・・・? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.03 07:00:20
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