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2018.10.04
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カテゴリ:徒然草を読もう
第二百段十一段
 園の別当入道は、さうなき庖丁者(ほうちょうじゃ)なり。ある人のもとにて、いみじき鯉を出(い)だしたりければ、皆人、別当入道の庖丁を見ばやと思へども、たやすくうち出でんもいかがとためらひけるを、別当入道さる人にて、「この程百日の鯉を切り侍るを、今日欠き侍るべきにあらず。まげて申し請けん」とて切られける、いみじくつきづきしく、興ありて人ども思へりけると、ある人、北山太政入道殿(きたやまのだじょうにゅうどうどの)に語り申されたりければ、「かやうの事、おのれはよにうるさく覚ゆるなり。切りぬべき人なくは給(た)べ、切らんと言ひたらんは、なほよかりなん。何条(なじょう)、百日の鯉を切らんぞ」とのたまひたりし、をかしく覚えしと人の語り給ひける、いとをかし。
 大方、ふるまひて興あるよりも、興なくてやすらかなるがまさりたる事なり。まれ人の饗応なども、ついでをかしきやうにとりなしたるも、誠によけれども、ただ、その事となくてとり出(い)でたる、いとよし。人に物を取らせたるも、ついでなくて、「これを奉らん」と言ひたる、まことの志なり。惜しむよしして乞はれんと思ひ、勝負の負けわざにことつけなどしたる、むつかし。


現代風訳
 園の別当入道は、比類なき料理名人である。ある人の家で、立派な鯉を出したので、人々は皆、別当入道の包丁さばきを見たいと思ったが、軽々しく言いだすのもどうだろうとためらっていた。別当入道は心得た人で、「この頃、百日間毎日鯉を切ることにしてございますのを、今日欠かすわけにはまいりません。是非、その鯉を調理しましょう」といってその鯉を捌いたそうだ。たいそうその場にふさわしく、趣のあることだと人々が思ったと、ある人が、北山太政入道殿にお話しした。「このような事は、私はひどく煩わしく思えます。切る人がいなければ、お任せください。私が切りましょうと言っていたなら、なおよかったであろう。どうして百日の鯉などと、わけの分からないことを言うのだろう」とおっしゃったのを、面白く思ったという話は、私もたいへん面白かった。
 だいたいにおいて、趣向を凝らして興があるより、興はなくても素直なのが、勝っている。客人をもてなすのでも、時宜にかなって接待するのもいいのだが、別段のことでもなく突然にご馳走するのがずっといい。プレゼントも、記念日などでなく、ただ「これを差し上げます」と言ったのが、本当の真心である。惜しむふりをしてありがたがられようと思い、勝負に負けたことにかこつけて接待するのは、嫌味なものだ。

四つ葉葉四つ葉
 別当入道は料理名人。宴会で「いみじき鯉」が出る。その場にいた人は、別当入道の包丁さばきが見たい!場の空気を読んで、別当入道は鯉を見事に捌く。
 その場に居なかった北山太政入道殿は、その一言一句を一人の人から聞いただけで判断して色々いうって、どうなんだろう?





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最終更新日  2018.10.04 07:00:15
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