カテゴリ:soliloquy
朝、雑煮を食べていたら、実家の父から電話がかかってきた。
伯母が亡くなって、葬儀屋と打ち合わせをしなければならないから 今日の訪問は見送ってほしい、と。 父には姉が3人いて、亡くなったのは次女である姉。 子どもはおらず、夫は20年ほど前に病死している。 小さな鉄工場(家内工業みたいなもの)を細々と続けていたが、 若い頃の事故で片目が見えず、食べていくだけで精一杯だったと聞いている。 そんな伯母を気遣い、母は週に1度、煮物などを持って伯母の家を訪ねていた。 前回行った時はどうってことなかったらしいのに、 大晦日に何度電話しても出ないので、おかしいと思って訪ねたところ、 伯母は倒れていた、そして、既に亡くなっていたというのだ。 発見した母の気持ちを思うと…。 正直なところ、私はこの伯母のことを よく思っていなかった。 祖母がまだ健在だった頃、日曜日になると必ずやってきて祖母を連れ出すのだが、 実は祖母からお金をまきあげていたのだ。 「たまにはお嫁さんをクソババアから解放してあげないとね」などと、 いかにも気の利いた小姑っぽい発言をするから すっかり騙されていた。 祖母の認知症が進んでからは、祖母の銀行口座を完全に我が物にしていた。 そのくせ、祖母が「ワシのお金がない」と言うたびに、 他の親戚の前では「一緒に住んでいる人間が怪しい」と、父や母を疑っていた。 なんとも腹立たしい伯母だけど、誰にも看取られない孤独な最期だったのかと思うと やっぱり気の毒だな。倒れてから、どのくらい苦しんだんだろうな。合掌。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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