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2015.04.23
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カテゴリ:生物学

kawanobu日記/数千年前に北米から来た日本のミジンコ、たった4匹が起源;有性生殖、単為生殖 画像1

 メダカなどの飼育の餌にされる、日本全国の池などにいる微小甲殻類のミジンコ(写真Daphnia pulex)は、どれも北アメリカ出身の4匹のメスから増えた「外来種」だった。

◎全国の湖沼のミジンコを調査
 この興味深い研究結果を、東北大の占部城太郎教授(生態学)らのチームがまとめた。
 それによると日本に定着したミジンコが、実はすべてが北米産で、しかもたった4匹のメスから派生したものだった――とはちょっとした驚きである。
 占部教授らのチームは、全国の池など300カ所以上を調べ、このうち35カ所で採集できた200匹のDNAを解析した。すると遺伝子型は4種類だけで、どれも北米にいる種に由来するものだった。つまり全国のミジンコは、たった4つの起源個体のクローンというわけだ。

◎数百年前から数千年前に日本に渡来
 これほど遺伝的に多様性が乏しいのは、日本のミジンコが有性生殖能力を失い、雌だけで世代を維持しているからだ。有性生殖は、配偶子の減数分裂の際、遺伝子組み換えが行われるので、受精の折に無限の遺伝的組み合わせを持った受精卵が作られるし、この過程で有害な遺伝子変異も排除される。
 そのミジンコのわずかな変異の頻度から日本に来た時期を逆算すると、全国に広く分布する2種類は、700~3000年前であり、西日本の一部で採取された2種類も数百年前だったという。

◎飛べないミジンコがどうやって日本へ?
 ここで謎なのは、このミジンコは一体どうやって日本の湖沼にやって来れたのか、だ。水棲で羽もないから、自分では来られない。
 近年の外来生物は、輸入作物や材木などに紛れてやって来るケースが多い。しかし最古の3000年前をとるとすれば、縄文晩期である。この時代、縄文人は北米先住民と交易していたことはない。
 1つ考えられるとすれば、水鳥に運ばれて、ということだが、シベリアからなら分かるが、北米というのも、考えにくい。あるいは、北米→シベリア→日本という経路があったのかどうか。占部教授らも、それは謎としている。

◎単為生殖で乾燥などに耐えたが、有害遺伝子を蓄積
 研究した日本のミジンコは、どれも乾燥に強い「休眠卵」を交尾せずに産める特殊なタイプだ。今は絶滅してしまった、交尾しないと休眠卵を産めない在来種よりも、池が干上がるなどの危機にすばやく対応できたので、生存競争に勝った可能性がある
 しかしその代価は、実は大きい。
 オスと交尾せず、メスだけで子を産む「単為生殖」で増えたから、有性生殖なら排除できる有害遺伝子を長年にわたって蓄積している。しかも前記のように極端に多様性がない。

◎数千年で集団としての寿命は尽きるか
 単為生殖を続ける個体群は、有害遺伝子の蓄積により数千年で集団としての寿命が尽きるという。さらに感染症にも脆弱だ。ミジンコに感染する病原菌にさらされると、あっとう間に死に絶える可能性が高い。
 実際、占部教授は、「集団としての寿命がやがて尽きる。新たな移入がなければ、日本からミジンコは消えてしまうだろう」と話している。
 するとミジンコを食物としているメダカやフナなどの小型水棲動物にも危機、である。

昨年の今日の日記:「佐倉『ふるさと広場』のチューリップフェスタは春爛漫」





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Last updated  2015.04.23 04:29:25



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