悪路を青ナイルの滝に向かう途中、現地ガイド氏の判断で寄ったエチオピアのごく普通の農家では、まさにインジェラを焼いているところだった(写真)。これから、朝食なのだ。
◎家は一間きり、炊事と食事は戸外で
写真でも見られるように、エチオピアの農村では、一間きりの掘っ立て小屋の中に台所はない。どこでも調理は外で行い、その場で食べる。掘っ立て小屋の中は、子だくさんの家族の寝室だけだ。
インジェラを焼いている目の前で、未舗装の道を車が埃をあげて走っている。水道もない。日本人が食べたら、腹を下しそうだ。
思いがけないエチオピアの庶民の暮らしの一端を垣間見ることができた。
◎30キロの道を1時間半もかかる悪路
バハルダールのホテルを出発して約1時間半、悪路の旅は、終点になった。小さな集落が、「青ナイル滝」(Blue Nile Falls)の観光拠点になる。
ちなみに青ナイル滝は、バハルダールの下流30キロの所に位置する。それに、車で1時間半かかった。未舗装の悪路のせいである。これが、他の幹線のように舗装されていれば、たった30分で着くのに。
さっそくどこからか子供たちが集まってきた。例によって「ペン」、「ペン」である。8時半を過ぎた時間なのに、学校に行くそぶりが見えない。
◎汚れたシャツ、裸足の子
世界最貧国で、人口急増の国だけに、エチオピアは初等教育にも行き届かない。農村部では、半数が未就学児という(16年2月4日付日記:「エチオピア紀行(4):『少年』国家エチオピアの子供たちに未来は期待できるのか、現実の傷ましさ」を参照)。
汚れたシャツ、そして裸足の子もいる(写真)。おそらく未就学児か。
ただ教室不足のエチオピアでは、普通は授業は、午前部と午後部の二部制なので、午後部の子供もいるのかもしれない。
◎インフォメーションのトイレは不潔度最悪
インフォメーションのような汚い建物があり、そこで青ナイルの滝の出発前にトイレを済ませた。入って、後悔した。猛烈に汚く、悪臭。途上国とはいえ、外国人ツーリストも来るのだから、もう少し清潔にしていればよいのに、と思った。
僕たちは、青ナイルの滝に行く途中、畑の中でエチオピアで初めての青空トイレを経験したが、そちらの方がよほど清潔だった。
昨年の今日の日記:「バルト3国紀行10:美しい大聖堂と1枚の絵、そして「カルネアデスの舟板」と『蜘蛛の糸』;紀行」