雨の「ガガーリン記念文化公園」の滞在時間は、たった30分弱。雨だから、長く居たいとも思わないが、それなら郷土博物館をもっと観たかった。
◎展望台行きのゴンドラも運休
公園内にも売店があったのだろうが、雨で閉店だったのか(客は誰もいなかった)、僕らは公園を出ると、外の小さなスーベニアショップに入った。
食指が動くのは、何も無かった。僕は、印刷の質の悪いカラー絵はがきだけ買った。
その後、またバスに乗って、南に進み、高台に向かった。そこから「山の空気展望台」に向かう。
日本統治時代は、「旭ヶ丘」と呼ばれた公園とスキー場だった。
どうやら「山の空気展望台」には、ゴンドラに乗って行くようだが、乗り場の駐車場にバスが着いても、ドアを開けない。ゴンドラも動いていない。
雨のために運休なのだった。
◎野外のアトラクションは雨なので、全部ダメ
窓から外を見ると、観客席のシートを色分けして「Сахалин(サハリン)」という文字を浮き上がらせた「スパルタク」というサッカー場が眼下に見えた。その隣は、まだ新しいロシア正教教会である(写真)。
僕たちはそこに降りることもなく、バスは動いた。ツアコンによると、運休なので、「山の空気展望台」は明日、チェーホフ山登山の後に行く、と発表があった。
すると後は、もうバザールに行くしかない。山の空気展望台がパスされたし、雨で白鳥湖も「ガガーリン記念文化公園」も短縮されたから、大幅に時間は余っている。
◎バザールで放される
どうもバザール(写真)でゆっくりと時間をお過ごしください、ということのようだ。現地ガイド氏やツアコンは、ここで一息入れるのであろう。
僕的には、冗談ではない、という思いが強い。こんなことなら、僕だけでもずっと州立郷土博物館に残りたかった。
ユジノサハリンスク市街は、日本統治時代に建設されたため、街は札幌のように碁盤目状に区画され、しかも市域は広くない。たぶん地図を頼りにすれば、どこでも独りで集合地に行けた。
ただ、それも後の祭り、である。
ツアー参加者の8割近くを占めるおばさんたちには、こちらの方が楽しかったかもしれないが。
◎生きたタラバガニを販売
バザールは、共産主義ソ連時代は自由市場として細々とやっていたのだろうが、今は堂々とした「スーパーマーケット」である。何でも売っていそうだった。
ただめぼしい物は、販売中の生きたタラバガニを目にできたくらいだ(写真)。タラバガニは、底生生物である。それをタライに入れて生かしておくのは、容易ではあるまい。
2はいが、タライに入れられている。ひやかしで値段を尋ねたら、5000ルーブルということだった。日本円で7000円を超える。かなり高い。ユジノサハリンスク市民の月給の1割が消える勘定だ。誰が買うのであろうか。
ザッと観た後、僕は無聊を託ちつつ、バザールを出て、辺りを散歩した。
昨年の今日の日記:「樺太紀行(16);チェーホフ山(鈴谷岳)登山③:カラス岩に到達、わずかにのぞいたユジノサハリンスクの街」http://gree.jp/264303/blog/entry/1417357522