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2021.10.18
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カテゴリ:金融と投資
 また「御用金」である。
​ 日本郵政(写真)の株が、近く売り出される。いわゆる第3次売り出しだが、売り出し価格は、基準日の3%前後のディスカウントになる。セールストークは、配当利回り5%超という「魅力」だろう。



​◎第1次、第2次と株価は下回り続け​
 しかしこれまで日本郵政は、売り出しに応じた個人投資家を裏切り続けてきた。「含み損」という形で。
 例えばIPO(新規上場)となった第1次売り出し(2015年11月)の価格は1400円、17年9月の第2次売り出しでは1322円となつている。今回は、前2回を下回り1000円以下となる可能性大だ。
​ IPOの第1次では、上場後に高値をつけ(上場来高値は15年12月7日の1999円)、その時点で売った個人は利益を確保できたが、その後はじり貧で17年9月についに1400円を割り、それ以来、その後、1度として第1次売り出し価格を回復することはなかった(株価チャート図)。


 最近は1000円を下回る低迷続きだ。
 そこに、政府は第3次売り出しをぶつけてきた。第1次と第2次の応募者の期待を背く形で。

​◎「御用金」だから個人投資家の利益など二の次​
 強行するのは、日本郵政株の売却代金4兆円を、東日本大震災の復興財源に充てるという役割があるからだ。つまり「御用金」である。
 既に第1次=上場時と第2次売り出しで、政府は2兆8000億円を確保している。今年6月には日本郵政が自社株買いを行い、政府は約2500億円を売った。
 残る9500億円分を、今回の売り出しで確保する皮算用だ。
 つまり政府・財政当局の算盤勘定が先にあり、個人投資家の利益などは二の次なのだ。ちなみに先週末の日本郵政株の終値は925.6円だった。3%前後のディスカウントとなると、1株900円が政府・財政当局の狙い目売り出し価格となる。ちなみに9500億円を確保するには、1株920円程度で売却することが必要で、ディスカウント分3%を勘案すると948円になり、先週末終値はその価格に達していない。売り出し価格を決めるのは、今月の25日~27日の間になるが、それまで証券会社に働きかけて、価格維持(PKO)をするのだろう。

​◎1株配当金年50円だが​
 そこで、最後の売り出しになる今回の第3次売り出しに、個人はどう対処すべきだろうか。既に主要対面型証券会社に口座を開いている人には、予約募集として購入希望を募る売り込み電話がかかっているはずだ。
 僕のところにも、口座を持つ3カ所もの証券会社から売り込みの電話があった。そこで最初に言われたのは、配当利回りの高さである。
 日本郵政の配当は1株50円で、上場以来、ずっと変わっていない。仮に1株920円で購入したとすると、税込みで年5.4%である。
 一見すると、極めて高配当利回りで、安定配当のように見えるが、将来にわたって保証されているわけではもちろん無い。
 僕のところに3カ所の証券会社から電話があったと書いたが、実は相手にセールストークを言わせる前に、即座に断った。理由は、後述する。
​◎大成功だったソフトバンクの売り出しに似るが​
 なお似たような株式売り出しに、昨年9月に売り出したモバイル通信会社ソフトバンクがある。これも7%超の高配当が売り物だった(20年9月16日付日記:「配当利回り7%超のソフトバンクの株を買う、2年前のIPOでは見送ったのだが――」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202009160000/を参照)。
 売り出し価格は、株安のトレンドの上に3%のディスカウントだったので、1株1204.5円だった。僕は、迷わず応募した。モバイル通信会社なら、さらに成長すると見込んだのだ。
 約1年後の先週末、ソフトバンク株価は1529.5円と27%近い値上がりとなっている。7%超の配当を2回もらったうえに年27%の値上がりなら、投資は大成功と言えるだろう。

​◎暗い将来性、投資する価値は怪しい​
 では、日本郵政もソフトバンクの2番目のドジョウを狙えるのか?
 そうはいかない、と思う。年5.4%の配当利回りがずっと続くとは思われないし、まして値上がり期待できるか疑問だからだ。値上がり期待できないのは、前2回の売り出し後の惨状から明らかに思える。
​ この10月から日本郵政傘下の事業子会社の日本郵便は一般郵便の土曜日配達を廃止した(写真=郵便配達員)。これに象徴されるように、郵便業務のじり貧化は避けられない。直近の2020年度の郵便物・荷物の引受物数は、前年度比6.8%もの大幅減少だった。土曜日配達廃止は、それに備える合理化策だが、利便性が弱まったからさらに減るのは避けられない。



​◎じり貧の郵便以外に成長分野無し​
 それに対処するには値上げだろうが、そうすると一時期の国鉄のように、値上げ→客離れ→値上げの悪循環になる可能性が大きい。値上げが効力を発揮するのは、利用者に代替手段が無い時だけだ。利用者は値上げを繰り返す国鉄に愛想を尽かし、私鉄や長距離バス、飛行機に流れた。
 日本郵便も、郵便物の値上げを繰り返せば、宅配便やメールにますます流れていく。
 日本郵政の悩みは、日本郵便以外に他の成長分野がないことだ。不動産事業はある程度は見込めるが、この分野は大幅な出遅れとなっている。
 だから将来性は、僕は極めて暗い、と思っている。
 また日本郵政のCEOは民間の企業経営経験の全くない元建設官僚だ。こんな経営者に、この閉塞感を打開できるとは思えない。
 だから結論は、こうなる。第3次売り出しには応じない――。

昨年の今日の日記:「鉄とニッケルで出来た小惑星プシケの謎(後編):謎を解くか、探査機2022年に打ち上げ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202010180000/​





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Last updated  2021.10.18 05:41:46



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