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2021.12.07
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カテゴリ:天文学
​ NASAが去る10月16日、新たな探査機「ルーシー」を打ち上げた(写真)。目標は、木星近くに分布する「トロヤ群」と言われる小惑星群だ。



​◎初期人類化石の愛称を命名​
 この狙いが、「大艦巨砲主義」で太陽系の諸惑星の探査を起こってきたNASAのこれまでと比べると、ずいぶん地味だ。何しろトロヤ群小惑星など、大望遠鏡でも光の点にしか見えないし、したがって誰も観測したことがない。
 また、このネーミングもユニークだ。僕は、「ルーシー」とはアメリカ映画『ルーシー・イン・ザ・スカイ(Lucy in the Sky)』(日本は未公開)かビートルズの名曲『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』にちなんだ命名かと思ったら、実はそうではなく1974年にエチオピア、ハダールで発見された318万年前のアウストラロピテクス化石「ルーシー」に由来するのだという。化石ルーシーも、発見された晩、キャンプで流れていたビートルズの曲から採られたのだ。
 探査機「ルーシー」のターゲットの木星トロヤ群はある意味、この化石と同じ役割を持っている。科学者にとって重要な、遠い過去の痕跡が残されているからだ。
 NASAが、この謎の小惑星大集団の探査を目指すのは、そこには太陽系誕生の謎を解く貴重な情報が隠されているからという。

​◎計12年、64億キロの旅路​
​ しかし、気の長い話である。「ルーシー」の旅は、12年間、64億キロに及ぶ。その旅の中で、木星を先導する位置と追随する位置にある2つのトロヤ群()に順に向かい、7つの小惑星を1000キロ以内を航行し、フライバイしする(木星軌道に達する前に、トロヤ群でない小惑星1つにも接近する予定だ)。成功すれば、単独の探査機が訪問した小惑星数の最大記録を更新する。​



 その行程だが、まず2025年、火星と木星の間に位置する小惑星帯にある最初のターゲット(後述)の小惑星に到達する。そこからトロヤ群に移動して、2027〜2033年にかけて何度もフライバイを繰り返しながら観測を続けていく。
 こうしてルーシーから送られてくる小惑星の色、組成、密度、クレーターなどの詳細な観測データは、各小惑星がいつ、太陽系内のどこで形成されたかを解明する手がかりとなる。初期の太陽系が形成される様子を知るうえでも役立つだろう。
 探測機に「ルーシー」という化石名が付けられたのは、惑星が何から形成されたかを示す化石のような存在が小惑星だからだ。

​◎フライバイを繰り返して12年後にトロヤ群小惑星に​
 ルーシーは、複雑なルートを通って小惑星に近づいていく。
 まず地球の重力を利用して、数回フライバイした後、小惑星帯にある小惑星52246(ドナルドジョハンソン)のそばを通過する。この名前も、ルーシーの化石を発見した有名な古人類学者名だ。同小惑星は、幅約4キロと小さな小惑星だ。
 その後、探査機は2027年に、木星に先行するトロヤ群を通過し、一気に5つの小惑星のフライバイ探査を行う。そして次は2033年、木星に後続するトロヤ群に入り、パトロクルスとメノエティウスという二重小惑星のそばを通過する。
​ 木星トロヤ群小惑星は、奇妙な小惑星群だ。木星軌道上のラグランジュ点という狭い範囲を2カ所、塊を作って周回しているに過ぎないが(想像図)、小惑星の色や大きさ、軌道の特徴などは、実に多様なのだ。中には、太陽系内に散らばる別の種類の小天体と似ているものがある。



 例えば灰色がかったエウリュバテスとよく似た天体が、小惑星帯でも見つかっている。一方、ゆっくりと踊るように互いの周りを回る二重小惑星のパトロクルスとメノエティウスは、海王星軌道のはるか向こうのカイパーベルトにある連星系によく似ている。​
​ つまり木星軌道を回っているのに、起源は同一ではなさそうなのだ。

昨年の今日の日記:「はやぶさ2、ぶじ小惑星『りゅうぐう』の砂を抱いて地球に帰還、世界初の惑星間往復飛行の確立」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202012070000/​





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Last updated  2021.12.07 05:56:34



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