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2022.02.13
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カテゴリ:環境
​ 1度は脱原発を志向したフランスが、再び原発の新設に踏み出すことになった。マクロン大統領が10日、2050年までに原発6基を新設する、と発表した(写真)。



​◎2050年まで温暖化効果ガス排出ゼロのEU約束​
​ フランスは、1973年のオイルショックで深刻な電力危機を迎えた教訓から、1980年代に猛烈な原発新設を始め、一時は国内の電力の80%近くを原発に依存するまでになった「原発大国」であった(写真)。発電した電力は、国内で使い切れず、血続きの送電線で、ヨーロッパ諸国に輸出している。


 そのフランスも日本の東電福島第1原発の事故で、原発の新増設を止め、古い原発は廃炉にして脱原発に踏み出した。
 代わって取り組んだのは、お定まりの再生可能エネルギー発電であった。ところが再生可能エネルギー発電だけで、EU公約の2050年までに温暖化効果ガス排出ゼロは不可能であることが次第にはっきりしてきた。

​◎洋上集中風力を1つ造るのに10年……​
 例えば切り札とされた洋上での集合型風力発電の見通しが不透明になった。例えば、洋上集合型風力発電を1カ所建設するのに10年もかかった。50年までに、原発を止めた上で温暖化効果ガス排出ゼロにするには、あと90カ所も造らなければならない。どう計算しても、無理だ。
 天候・気象に左右されるだけに、ベース・エネルギー源も必要で、そのための天然ガスと石油をかなりロシアに依存している。
 このところのウクライナ危機で、ロシアに化石エネルギーを依存するリスクがはっきりとした。EU全体では、天然ガス輸入の41%を、原油輸入の27%をロシアに依存している。強権的な政権で、武力で他国に侵攻することを隠さないロシアに、依存していいのか、というのは、もっともな疑問である。

​◎侵略意図むき出しの強権国家ロシアにエネルギー源を頼るのか​
 マクロン政権の決断は、様々な変数のからむ複雑な方程式の中から得られた唯一・最善の解、である。
 ただEUの中でも、ドイツのように脱原発の旗を降ろさない国もある。それだけロシアにエネルギー源を依存することになるから、ドイツの対ロシア政策も、NATOの中で最も融和的なものになっている。
 ウクライナにロシアが侵略を開始し、なお大規模な経済制裁を躊躇うようなら、ドイツはNATOで孤立するだろう。
 ロシアに化石エネルギー源を依存する危険性は、今や誰の目にもはっきりした。
 エネルギー安保の前には原発しかない、という賢明な判断である。

​◎日本、計画だけは立派だけれど​
 ところでフランスの原発新設は、日本にとって刺激になるのか。
 残念ながら、そうはなりそうもない。
​ 福島第1原発サイトに溜まりに溜まった大量のALPS処理水(写真=立錐の余地のないほどぎゅうづめで造られた処理水タンク)を、完全に無害になるまでに希釈して沖合に捨てるのですら、もめにもめて、やっと昨年に菅前首相が決断するまで何年もかかったのだ。




 東京電力の柏崎刈羽原発の最も新しい7号機ですら、いまだに再稼働が許されていない。
 こんな国柄で、フランスのように原発新設なんて言い出すのは、正気の沙汰ではないと言うべきだろう。
 しかしそれでいて、日本は2030年度に46%削減、さらに50%の高みを目指すという。これも、原発無くしてなら、正気の沙汰ではない。
 つまり計画だけは立派だけれど、その達成のための日本のエネルギー戦略を、誰も真面目に考えていない、ということになる。

​◎その場しのぎの弥縫策、いつまで​
 今冬、寒さがつのると、東電は予備率がギリギリまで減り、中部電力や東北電力から応援供給を受けている。
 いつまでこんなその場しのぎの弥縫策をとり続けるのか、と嘆かわしい限りだ。
 さりとて今の大衆迎合の岸田グズ政権が、イニシアチブをとってエネルギー戦略を作れるとはとうてい思えない。それを期待するのもまた、正気の沙汰ではない、と言うべきだろう。

​昨年の今日の日記​:「アフリカの低水準の公衆衛生・医療が覆い隠す武漢肺炎の感染者・死者の少なさ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202102130000/​





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Last updated  2022.02.13 06:00:23



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