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カテゴリ:現代史
またも参院選の話題で恐縮だが、今回の選挙の比例区にユニークなニューフェースが登場した。 参政党、である。 ◎堂々3.3%、176万票余も取った参政党 各紙の世論調査で参政党は1議席を得る可能性あり、とされていたが、ふたを開けると、全投票数の3.3%、176万票余も得て、古株・社民党(125万票余)やNHK党(同)を50万票以上も上回った。 これには、驚いた。全く無名で、少なくともこれまで新聞・テレビに出てこなかった。あまたの泡沫政党かと思ったのは、とんだ誤解であった。 大阪府吹田市議を務めた神谷宗幣氏(44歳)が事務局長で、名簿1位搭載の神谷氏が当選した(写真=当選した神谷氏と比例区候補者5人)。 政策は、①「学力より、学習力の高い日本人の育成」、②「化学的な物質に依存しない食と医療の実現と、それを支える循環型の環境の追求」、③「日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり」、である。 ◎「緑の党」のようでもある保守政党 ①はどの党も掲げそうだが、②は西欧の「緑の党」のようでもあり、しかし③は明白に保守的主張である。実際、「外国人参政権を認めない」と主張する。 神谷氏がただの売名目的の泡沫候補でないことは、しっかりした政治的経歴を持つことだ。吹田市議会議員を2期務め、吹田市議会副議長にも就いている。10年前の総選挙には自民党の公認候補として、大阪13区から出馬している。ただ相手が悪く、盤石の強さを誇る維新の候補に、比例復活もできないほどの大差を付けられ、敗退している。 これで既成政党の限界を察したようで、2020年に仲間と共に参政党を結成している。 ◎SNSで若者層にアクセス、高い支持を得る 同党の選挙手法がユニークなのは、まさにデジタル時代に即したSNSやユーチューブを通じて支持を募ったことだ。デジタルなら、党員が少なくても選挙運動はできる。 実際、若者世代の支持を集め、共同通信の出口調査では18~19歳で6.8%、20歳台で5.9%の支持を得た。むろん共産党をも上回る。 前記のように3.3%の得票率を得たので、公選法上の政党要件を満たし、同党には政党交付金も出る。今後、テレビにも出る機会が多いだろう。 ただ政策に肉付けをしていかない限り、支持の広がりは欠くだろう。 ◎ユーチューバーを当選させたNHK党 デジタルと言えば、毎回出るNHK党が今回も1議席を得たが、1位搭載のユーチューバーのガーシー氏が当選した(写真=左が党首の立花孝志氏。当選したガーシー氏はオンライン参加)。 党名どおりNHK受信料の不公正さを問題とするワンイッシュー党だが、全国には一定のNHKに対する批判層が存在することが分かる。 僕も共感するところがあるのは(もっとも僕はずっと受信料を払い続けているが)、「生活保護世帯が受信料免除なのに、なぜ年金世帯は払わなければならないのか」という主張である。 僕の見るところ、少額の年金しか受給できない世帯は、生活保護世帯よりも貧しい。生保世帯は、公営住宅に優先入居でき、しかも家賃は無料、医療費も無料、子どもは給食費も無料……と、無料のオンパレードだ。NHK受信料も無料とは、何とも不公正だ。 NHKは、同党の問題提起に応えるべきだろう。 昨年の今日の日記:「北海道紀行⑥:旭山動物園、北方系ヒョウ2種:アムールヒョウとユキヒョウも見学」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202107130000/
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Last updated
2022.07.13 04:48:31
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