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2023.09.30
カテゴリ：経済
スターリニスト中国の不動産最大手の中国恒大集団（写真）の破綻・清算がいよいよ秒読みになっている。  ◎ついに自国の人民元建て債券の元利金払わず 恒大は２５日、同日が期限の人民元建て債券４０億元（約８２０億円）の元利金支払い不能を発表した。同債券は、半年前の３月２３日が期限だった利払いもできていなかった。半年後の今回、ついに元金すら払えない事態に陥った。 これまで恒大は、共産党と政府の指導もあってか、米ドル債より支払いを優先していたが、自国人民元建て債も支払い不能となった。 恒大の混乱は、これに留まらない。スターリニスト中国のメディア「財新」は２５日、恒大の元ＣＥＯ（最高経営責任者）の夏海鈞（写真＝右の人物、左が後述の許家印）と元ＣＦＯ（最高経営責任者）の潘大栄が当局に拘束されたと報じた。２人とも、不適切な資金回流に関わったとして辞任していたが、当局は身柄拘束して、恒大の資金の動きについて調査する模様だ。  ２７日には現ＣＥＯの許家印（写真）も９月初めに当局に連行され、監視下に置かれたとアメリカのブルームバーグが伝えた。その後、別の報道で逮捕されたという。  ◎債権者との協議も延期に次ぐ延期で開催見通し無し 恒大は、外貨建て債券の再編をめぐって債権者との協議を模索していたが、その協議も延期に次ぐ延期で、「踏み倒し」を狙っている。協議は最初は８月２８日に予定されていたが、９月２５～２６日に延期した後、今度は９月２２日に再延期、２４日には「新規に債券を発行できない」として再々延期に踏み切った。新たな日程は公表されていない。 この債務再編計画は、恒大に圧倒的有利なプランだった。海外債権者は、期間１０～１２年の低利の新発債と全て交換するか、グループと香港上場２社の株式及び５～９年の低利新発債の組み合わせに切り替えるかを選ぶ、というもの。そもそも低利の新発債も償還されない可能性が高く、香港上場の株式に至っては紙くずに近い。株式時価総額は、１７年のピーク時より約１％に縮んでいるのだ。 海外債権者は、納得していない可能性が高いプランだった。 ◎債務超過額約１３兆円でゼネコン、銀行などが連鎖破綻か アメリカのブルームバーグ通信は２５日、恒大について清算のリスクが高まっていると報じた。 清算となると、スターリニスト中国経済に激震が走ることになる。何しろ恒大の債務超過額は６月末時点で６４４２億元（約１３兆円）もあるのだ。国内と海外の債権者の持っている債券などの債権が、無価値になる可能性が高い。 恒大のマンションを建設したゼネコンなどに連鎖破綻が広がると予想される。恒大に貸し込んだ銀行も、巨額の不良債権を抱え、金融不安につながる。 ◎ローン返済だけ残る住宅未引き渡しの購入者 さらに深刻なのは、いまだ引き渡しの終わっていない住宅購入者は、マンションを手にできないばかりか、ローンを組んでいればローン返済だけのしかかる。 こうなると、不動産大手碧桂園など全不動産会社に信用不安が広がり、深刻な社会不安になる。 中国共産党と政府が、それを容認するとも思えないが、安易な救済は、デフレ化に至ったスターリニスト中国経済の傷をさらに深めるものとなる。 どうなるか、見物だ。 昨年の今日の日記：「自国領土の一部がロシアに実質占領されているのに、ウクライナの側に立たないジョージアの闇」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202209300000/ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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2023.09.30 06:01:42
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