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2023.10.11
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カテゴリ:生物学


 やっと涼しくなり、それと共に蚊に刺される機会が増えた。熱帯原産の蚊も、あまりの猛暑の時は活動できないのだ。
 蚊と言えば、今も時として思い出す。アメリカの国立公園を巡る旅で訪れたエヴァーグレーズ国立公園(南部のフロリダ州)で、夥しい凶暴な蚊に襲われた恐怖だ(写真=蚊の警告ポスターと来場者の脚に集まった蚊)。





​◎エヴァーグレーズ国立公園の蚊​
 詳しいことは、以下の日記をご覧いただきたいが、クルーズ船を降りた夕方、下船と同時に、それこそ黒雲のような超大量の蚊の群れに襲われたのだ(4月10日付日記:「凶暴な夥しい蚊に襲われた強烈な思い出、アメリカのエヴァーグレーズ国立公園」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202304100000/を参照)。
 走っても振り払っても、蚊どもは怯まず、やっとの思いでロッジの自室に転がりこみ、蚊取り線香を焚いたら、「バサバサ」と蚊が落ちてきて、床が蚊の死骸で真っ黒になった。
 その時、体中を刺されたと思うが、その記憶は無い。真っ黒になるほどの群れに襲われた恐怖の方が鮮明だったからか。

​◎アフリカの発展を阻んだ蚊​
 蚊は、人類の大敵だ。マラリア、デング熱、黄熱病、ジカ熱など、様々な疾病を媒介する。太平洋戦争中に南方に派遣された日本軍は、例外なくマラリアに感染し、飢餓の中での転戦中に多くの命を落とした。またアフリカ大陸では、海岸部の平野は、19世紀までは「白人の墓場」として植民地経営が進まなかった。もちろんアフリカでも発達した古代文明は、平野では誕生せず、ほとんど内陸の高地でだった。蚊の媒介するマラリアが、文明への発展を阻んだのだ。
 その最強の敵の1つ、蚊の撲滅の可能性が見えてきた。

​◎遺伝子組み換えでメスになる卵を産ませないオスの蚊を開発​
 イギリスのバイオ企業「オキシテック」が遺伝子組み換えで開発した「不妊化蚊」を作り、野外に放すプロジェクトを始めたのだ。放される蚊は、人獣を刺さないオスだ。そして遺伝子組み換えで、メスと交配してメスが卵を産んでも、メスの染色体を持つ個体は育たない。子孫を残せないオスだけが残る。その仔のオスは、成長してメスと交配しても、やはりオスだけしか生き残らない。やがて野外には、オスしかいなくなる。
 むろん野生では、普通のオスの方が圧倒的に多いから、すぐには置き換わらないが、世代を経るごとに蚊の個体数は減っていき、やがて絶滅が期待できる。
 この4月、フロリダで遺伝子組み替えした卵が、大量に撒かれた。
 いち早く、このプロジェクトの始まったブラジルでは、実験地で2世代で蚊の個体数は約9割減ったという。

​◎蚊を絶滅させても生態系は​
​ まあ、蚊を絶滅させても、生態系を壊すことはないと思うが(一部にボウフラを餌にする昆虫もいるけれど)、オキシテックが開発したのは、アフリカ原産のネッタイシマカ(写真)で、アメリカ、ブラジルなど新大陸では外来種だから、問題は起こりそうもない。​



 ちなみに日本で人を刺すヤブ蚊は、ヒトスジシマカで、ネッタイシマカも以前は定着していたが、いつの間にかヒトスジシマカに置換された。
 だから日本の場合は、ヒトスジシマカの遺伝子組み換えオスの野外放生が有効だが、日本の場合はマラリアもないから、ニーズは乏しいかもしれない。

昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(182):NME=人類の作った最古級の石器も:アシューリアン文化」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202210110000/​






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Last updated  2023.10.11 06:11:58



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