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カテゴリ:国内政治
日本共産党は18日、静岡県熱海市で開いた党大会で、新委員長に政策委員長の田村智子を「予定どおりに」選出した(下の写真の上:党大会で決議案を報告する政策委員長の田村;下の写真の中央:中央役員選出後の党大会;下の写真の下:党大会結果を報じる「しんぶん赤旗」)。 2000年11月に議長に「退いた」不破哲三の後に志位和夫が就任して以来、23年ぶりに委員長が交代する。女性の就任は初めて。 ◎志位は院政、小池も留任で田村に睨みを効かせる 23年ぶりの委員長交代と初の委員長の2つの目玉で来たるべき総選挙への反転攻勢をかける狙いだが、実態は全く変わらない。 第1に、志位は委員長こそ退いたが、かつて不破哲三や宮本顕治が就いていた議長になった。議長は名誉職とされるが、志位は共産党のトップ25人の常任幹部会員に残った。 つまり実権は志位が握る「院政」である。志位よりずっと党歴も浅い(39年弱)田村は、イメージ刷新のためのただのお飾りに過ぎない。 また睨みを効かす意味でか、書記局長に小池晃が留任した。小池は、田村より年齢も上で党歴も古い。そして2022年には田村に対して、威圧的言動でパワハラ騒動を起こして自己批判している(写真)。その記憶の強烈な田村はどうしても小池に卑屈にならざるをえないし、小池とつながる志位から自由に動けない。 ◎異論を排除する民主集中制はそのまま そもそも田村がお飾りにすぎないことは、共産党の本態が何も変わっていないことが示す。 党中央独裁的な「民主集中制」は、そのまま残っている。党内で、自由で民主的な党中央への批判・異論は挙げられない。たとえば田村が思いきって、昨年志位批判で除名された松竹伸幸氏や鈴木元氏を復党させれば、変わったと思えるが、そんな勇断は望むべくもない(23年3月19日付日記:「テロ国家ロシアのプーチンにICCが逮捕状;京都共産党古参党員、鈴木元氏が志位批判のかどで松竹氏に続いて党除名」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202303190000/、及び23年2月8日付日記:「ウクライナ侵略戦争の彼方にプーチン大帝国ロシアの四分五裂の解体が見える;追記 志位批判の松竹氏、共産党を除名さる」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202302080000/を参照)。 ◎安保廃棄、自衛隊解消だなんて…… 国際環境に対する感度も、相変わらず鈍いままだ。テロ国家ロシアによるウクライナ侵略やスターリニスト中国による香港の「共産化」と台湾民主政体への恫喝など、強権国家の侵略意図が明白なのに、いまだに日米安保条約廃棄と自衛隊の解消を綱領に残したままだ。 自衛隊の解消し、日米安保条約を廃棄したら、スターリニスト中国とテロ国家ロシア、そして北朝鮮ならず者集団は、大喜びで西、北から日本に侵略してくるだろう。 そうした古い体質の党だから、志位たちから期待される立て直しなんて、田村にできるわけがない。党の高齢化は著しく、時たま駅頭で見かける街頭演説の顔ぶれは、いつも同じで年寄りばかりだ。 ◎衰退著しい党勢 実際、衰退は著しい。最盛期の1990年には党員は50万人もいたのに、20年には半分強の27万人に激減した。今はもっと減っていて、25万人を割っているだろう。 党の財政を支え、強力な宣伝手段になっている機関紙「しんぶん赤旗」は、党史上最多だった1980年の355万部から、2020年には3分の1以下の100万部に激減している。機関紙収入などでやせ我慢して政党交付金を唯一受け取っていないが、いずれ財政に窮して交付金も受け取るようになるだろう。 田村が、日本共産党の復活を果たしたいなら、課題ははっきりしている。前述のような党の体質をすっぱり改め、スターリニズム体制から西欧的な社会民主主義体制に一大転換し、また安保と自衛隊を認めることだ。 しかし並み居る古強者の中で党歴も浅く、志位と小池が睨みを効かせている中で、田村にできるはずはない。 よって共産党の衰退は、止まらないだろう。 昨年の今日の日記:「武漢肺炎がやっとインフル並みの扱いに、岸田グズ政権は2類相当指定で不当利得をむさぼった連中に配慮か」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202301230000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.01.24 04:42:05
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