|
カテゴリ:農業
クイズの問題に対する答えの順番が少し前後してしまいますが、今日は、食料自給率のお話をします。
え?化学肥料の危険についての話ではないの? 実は、食料自給率と化学肥料は一緒に考えなくてはいけない問題なのです。。。 平成17年度のカロリーベースの日本の食料自給率は40%でした。 これで、8年連続の横ばいの数値となりました。 国内で自給できているのは、米とみかんのみ。 小麦の自給率は昭和50年には4%しかありませんでしたが、いまでは14%に増加しています。 そのため、主食用穀物自給率は61%になります。 有名な大豆の自給率は平成7年度には2%に落ち込んでいましたが、平成17年度には5%に増加しています。。。 とはいえ、3%から5%の間で揺れ動いているのですが。。。 乳製品は68%・・・昭和40年度は86%でした。 食用魚介類は57%・・・昭和40年度は110%でした。 意外なのは海藻類、、、67%・・・昭和40年度でも88%だったんですね。 そして、とうとう80%を切ってしまった野菜。。。平成17年度は79%。 注目の肉類は、、、 牛肉 43%・・・昭和40年度 95% 最低は、平成12年度34% 豚肉 50%・・・昭和40年度 100% 鶏肉 67%・・・昭和40年度 97% 牛肉と豚肉は、昭和40年度と比較すると、平成17年度では、半分近くに自給率が落ち込んでいます。 これは、飼料自給率を考慮して算出されているためです。 そして、その飼料自給率は、25%しかありません。 国内農業生産のみで、2000kcalを供給しようと思うと以下のようになります。 (参照:http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyu/files/jikyu_kojo.pdf) 魚介類は、1日に1回。 小麦料理は、2日に1食 味噌汁は、2日に1杯 牛乳は、6日に1杯、 卵は、7日に1個、 食肉は、9日に1食となります。 主食は米とイモ類になります。 ・・・健康によさそうですね。。。 マクロビ実践者には負担に感じなさそうです。 自給率の低下の原因にはいろいろありますが、1つは、食事の内容の変化です。 昭和40年度と比較すると、平成17年度では、米の消費量は、約半分に、畜産物と油脂類の消費量は、約2.5倍になっています。 食事内容を洋食から和食にするだけで、自給率は23%から64%へとアップします。 それでも、もし、何らかの理由で、食料の輸入がストップしたら。。。 戦争、経済制裁、石油危機、不作、悪天候、、、放射能汚染。。。 さまざまな長期・短期の輸入停止のリスクがあります。 ある程度なら、食用・飼料用ともに、在庫があります。 それでも、長期の輸入停止になると、、、 家畜がまず殺されるでしょう。 日本人があわてて食生活を改善して、休耕地もフル活用して生産を始めたとしても、食料の輸入だけでなく、石油や鉱物の輸入もストップしたら、、、 農耕機械が使えない、農産物が運べない、という以前に、「化学肥料が使えない」という事態が起こります。 化学肥料は水に溶けやすく、土壌から流出しやすい特徴があります。 そのため、毎年肥料を与えないといけませんし、水質汚染も深刻になるのです。 その化学肥料が使えなくなったら? 自給できない肥料に頼った脆弱な農法。。。 化学肥料と農薬を使っていた農地で、その使用をやめてしまったら、作物は大きく減収してしまいます。 つまり、自給率を考える時には、一切の輸入が断ち切られたとき、どれだけの農産物が生産可能か、ということを考えないといけないのです。 化学肥料がなくても、有機肥料が、、、 ないんです。 現在の有機肥料はほとんどが輸入され、家畜の糞尿をきゅう肥にしようとしても、家畜の餌も75%が輸入されています。 それなら、落ち葉を集めて、、、 足りません。 結局行き着く先は、自然農法ということになります。 それも、なるべく早く始めないと、、、 なぜなら、化学肥料やきゅう肥を大量にもちいた危険な農法のために塩害などがおこり、土壌の劣化が進んでいます。 世界では、1年間に500万ha以上が化学肥料や除草剤、農薬の乱用によって砂漠化しているそうです。 砂漠化してから、緑化をするのはとても時間がかかります。 そうでなくても、慣行農法から自然農法に切り替えて、何年間かは激しく減収するので問題が起こる前に、移行を始めないと。 せめて、これから新しく開墾する畑や、今の遊休地を再び耕す時には、自然農法で、、、という考えが浸透する必要があります。 現在有機認証を取得しているのは、1%未満の農家。。。 自然農法を実践しているのは、さらにそのまた何%なのでしょうか? 平成27年度における食料自給率の目標は、なんと45%。。。 10年間で5%の増加しか実現可能性がないということです。 狭い日本では単位面積当たりの収穫量をあげることが最大の関心事。 しかし、長い目でみると、自然環境と共存し、真の自給率と表面上の自給率の乖離を最小限にする自然農法を推進することで、栄養価も高く、健康に良い農産物をより多くの国民に供給することになり、いろいろと嬉しい波及効果もありそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[農業] カテゴリの最新記事
|
|