辞書にも掲載されていない意外な表現#3
2月28日に辞書にも掲載されていない意外な表現をご紹介した。(過去の記事はこちら)前回に続いて今日も英和学習辞典に掲載されていない意外な表現を紹介したい。このような表現を見つけるたびに英語は刻一刻と生きていて変化を遂げていることを実感するし、その変化を常に追いかけている研究者への畏敬の念が込み上げてくる。今回紹介したい表現はOBOというabbreviated word(短縮語)である。住んでいるアパートメントの掲示板を読んでいると以下のように使われていた。読者の皆様は意味が想像できるだろうか。I am selling a small dining room set (small table with 4 chairs) in great condition.Details: Standard height, antique gray finish, solid wood$150 or OBO値段の後にorと書かれているので価格の上下に影響を及ぼす表現のようだ。Collins Online Dictionaryによると以下の記載があった。In advertisements, obo is used after a price to indicate that the person who is selling something is willing to accept slightly less money than the sum they have mentioned. obo is a written abbreviation for `or best offer. 'URL:Collins Dictionary交渉次第では少し安くするという意思を表明する表現のようだ。ここで気になったのはOBOにorがすでに含まれている点だ。OBOを省略せずに表記すると $150 or or best offerとなってorが重なってしまうのだ。きっとここでは$150 OBOとするのが適切なのだろうが、OBOという表現が一つの単語として認識され、OBOの正しい表記を意識せずにOBOという表現が使われ始めているのだろう。上記のような現象はたまに日本語でも見られないだろうか。例えば「馬から落馬する」や「頭痛が痛い」といった重ね言葉は日本語でも見られる現象である。両言語における重ね言葉の変遷を調べていくと面白い研究の題材になりそうだ。続きを書くと長くなりそうなので今日はここで終えたいと思う。写真:アパートメントの掲示板それでは今日も良い1日を。きたろう