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テーマ:海外生活(7798)
カテゴリ:その他
出国前は140円だった円は現在150円前後をうろうろしている。このまま160円170円を突破するのではないかと主張する専門家もいるほどだ。 異次元の金融緩和政策と低金利によって米ドルとの格差がどんどん開いてしまっているらしい。輸出業者はドル高円安の恩恵を受けるのだろうが、国外から輸入して商売をする企業は大打撃であろう。ガソリンなど完全に輸入に頼らざるを得ない商品は値上げが相次いでおりリッターあたり180円を超えるガソリンスタンドもあるという。日本の経済は成長しておらず賃金は上がらないのに物価だけ高騰していくのは家計への負担は増すばかりであろう。 私は現在アメリカにいて思うことは日本の存在感がこのアメリカの地でも薄れていることだ。コロナ禍で日本からの留学生は元々激減していた。そこに拍車をかけたのがドル高円安である。1ドルが150円を超えてしまっては年間40,000ドルの学費を支払える家庭は限られる。学部生に至っては4年間学費を納入しなければならないため4年間の学費で家が購入できてしまうほどの金額である。英語力と専門知識がたとえあったとしても経済的な理由で留学を諦めなければならない状況が続いているのである。コロナによる渡航規制期間を含めれば約4年間留学のチャンスの芽が摘まれてしまっている。 私が通っている大学でも留学生はほとんど中国からの留学生で日本からの留学生をキャンパスで見かけることはほぼない。私のキャンパスでは日本人は絶滅危惧種のような存在なのである。10数年前アメリカの西部に留学した時はオイルマネーで潤ったサウジアラビアの学生が目立っていた。政府から全額給付型の奨学金が出ているようで真っ赤な高級車を乗り回しているサウジアラビアの学生をよく目にした。勿論今通っている大学でも中東の学生を見かけるが、現在の中東の不安定な政治状況も相まって昔のような煌びやかな印象はあまり受けない。改めて国の経済力と留学生の割合は相関関係にあるのだと思う。 アメリカでのインフレ、そして記録的な円安によって日本の学生は海外で学びたくても学べない状況に陥っている。それはまさに日本は気付かぬうちに数百年前の鎖国のような状態になっていることを意味しているように思える。志ある学生が日本に閉じ込められている状況が長引けば長期的に見て日本の損失は非常に大きいし、世界と日本の距離は離されていく一方である。留学者数減少に伴う損失を防ぐための妙案がないものだろうか。やはり色々策を練る前にまずはこの歴史的円安の是正が最優先事項のような気がしてならない。
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最終更新日
2023.11.22 01:38:42
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