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カテゴリ:舞台芸術
私は音楽を愛している。更にオペラ、歌舞伎、能、ミュージカル、バレーなど音楽と舞踊が結びついたものはジャンルを問わず大好きで年を忘れて熱狂する。なぜそんなに夢中になるのかと時々考えるが、子ども時代の体験が根っこにあると思う。 生まれた場所は四国の山間部、文化とはかけ離れた片田舎なのであるが、母親がよく映画を観に行き、一緒にくっついていったのだった。戦後まもなくのことで映画館というにはお粗末すぎる倉庫のような建物だったが、そこで期日限定で興行が催されていた。確か松川興行というのがその名前だった。そのポスターが村の要所に貼られていてそれを観るだけでわくわくした。次郎長一代記のような時代劇がよくかかっていた。 その映画館の舞台では、時折村から村へ廻ってくる女剣劇や○○劇団の興行があった。それにも一緒に付いていって芝居を熱心に観ていたのだった。今思えばごく素朴な舞台だったが、一応生の舞台を観ていたのである。 また村には様々な行事があったが、時々三番叟が舞われていた。この舞の装束や音楽、体の動きは幼心に強烈な印象を残した。この経験が根源にあって私は能に惹かれるのだろう。 更に母は宇和島に木下大サーカスが来るといつも私たち子ども3人を連れて観にいった。炎天下で長時間並んで待ち、幼い弟が倒れたような記憶がある。そのせいか私は純粋なサーカスは勿論シルクドゥソレイユのようなパフォーマンスも大好きである。 当時はこんな片田舎の文化果つる地に生まれ、女の子に勉強は要らない、家の手伝いが一番という我が家に生まれたことを大きな不幸と思っていたが、今思えば人の生きる道をしっかり教えて育ててくれた両親と自然に囲まれて豊かな子ども時代を過ごしてきたと思えるようになってきた。 現在の木下大サーカス
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