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カテゴリ:英国から見た日本
今日も色んなことが起きてますね。色々と書きたいこともあるのだが、昨日のニュースで、どうにも引っ掛かっていることがあるので、吐き出してスッキリしておきたいと思う。 東京電力の会長・社長等の代表取締役が役員報酬を全額返上することとなった。加えて、菅首相も、政府の責任を認めて、総理としての報酬を返上するらしい。まあ、世論への配慮などから、妥当な判断だという見方がなされているようではあるが、この流れ、何だかしっくり来ない。 まあ、財産を没収するのは、いろんな問題を惹起するので、その代わりに、将来の報酬を自ら放棄することの方が、技術的に簡単であることは理解できるが、筋から言えば、過去の過ちに対するペナルティならば、原因となる行為を行った(不作為も含む)責任者に対して、その行為時点以降の報酬等に対して、その責任に応じて課されるべきものですよね。 そして、報酬返上には、返上する側のある種の期待も含んでいるような気がしてなりません。つまり、これって「これからはただ働きで頑張りますので、過去のことは水に流して下さい」という、失地回復のための作法なのではないかと思うのです。実際、次の日に、公的支援の枠組みが発表されました。 加えて、穿った見方をすれば、今後、不手際が発生した際には、「無報酬でやってるんで、勘弁してください」と言うための布石なのだろうか、と思えなくもないわけです。冷静に考えると、俺は給与返上で頑張ってるんだぞ!というアピールは、俺は寝ないで働いているんだぞ、というのと同じで、別に、偉くもなんともないはずですよね。失敗は失敗で認めて、ペナルティを払って、未来に向かっての報酬はちゃんと受け取って報酬に見合った働きをすべきなのではないかなという気がするのですが、どうなんでしょう。 例えがいいかどうか分からないが、不良品をつかまされた時、それが悪質なら、無料で交換してもらうんじゃなくて、返金してもらって別の店で買うべきだと思うのです。 ちなみに、イギリスでは、メキシコ湾での原油流出事故を起こしたBPのヘイワード社長のように、退任に追い込まれるのが普通であり、退任時の退職金について、成果連動部分の払い戻し条項が含まれていたりして、あくまでも過去の責任に対して応分の責任分担を求めらるという考え方だ。まあ、成果連動報酬には、短期利益の追求による弊害もあるので、こっちの方がいいと言っているわけではないが、ある意味、合理的ではある。 もちろん、国民が溜飲を下げるというのも必要だと理解しており、結論はそれでいいのでごちゃごちゃ言う必要もないのだが、何だかちょっと成熟度が足りないような気がする。どこかで、線を引いて、「まあ、反省しているのは分かったから、しっかり頼むよ。」という流れ・潮目を演出する作法(方便?)は必要だと思うのですが、それって「”将来の”報酬返上」なのかな~。 お読み頂き有難うございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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