団塊の世代は余裕がある
2007年になると、昭和22年(1977年)生まれの人が、60歳の定年退職を迎え、ひまと金をもてあました「元気な中高年」に生まれ変わって、世間にどっと出てきます。これを、2007年問題と言っているのです。この人たち(私もですが)は、65歳にならないと、国から厚生年金が貰えません。5年間の「無収入期間」が生じると「不安」をあおって、あなたにピッタリの「保険」あります、とTVがうるさいのです。大変残念でした。その手にはのりません。団塊の世代は、世渡り上手。「空白の5年間」を、リッチに過ごすアイデアを実行に移しました。自分と奥さんのため以外には、一切お金を使わないことを宣言しました。子供たちへ。「現金の遺産はありません」子供たちへ。「君達の結婚資金の蓄えはありません」子供たちへ。「君達の稼ぎは当然、あてにはしていません」親へ。「葬式から三回忌くらいまでのお金は自分で用意して下さい」※親の病気、入院手術などで、実際は「お金」かかりますが、その程度はちゃんと、今後の収支勘定に入っているので、問題ないのです。例えば、家のリフォーム(屋根・外壁・風呂・トイレ・キッチンなど)車や家電製品の買い替え、海外旅行といった、多額の費用はすべて織り込み済みなのです。なぜ、そんなことができるのかって?やめるまえに会社が、定年退職後に起きると予想される様々な問題に対して、懇切に教えてくれたからです。もう1つ大事なことがあります。団塊の世代サラリーマンは、もらえるものは全部貰ってやめる、とずっと以前から、周到な計画を練っていましたから。団塊の世代一期生は昭和22年生まれ、この人たちは2002年に企業で、第一次定年を迎えました。60歳まで働いてもらうと企業は困るので、55歳で気持ちよくやめてもらうために「早期退職割り増し制度」を導入したのです。「早期退職割り増し制度」は、企業も退職者も双方得する素晴らしい制度です。55歳でやめると、56歳から60歳までの「年俸分」大雑把に計算して、5年分、あるいは60ヶ月分が、普通の退職金に上乗せになります。月給50万の人なら、3,000万円、年俸1,000万の人なら、5,000万円が上乗せになります。企業にメリットがあるのは、退職してもらえれば、負担していた「福利厚生費(通勤定期、食事補助、厚生年金や健康保険、雇用保険、介護保険、労災保険など)」を一切支払わなくて済む、ことです。これも大雑把に計算すると、25%になりますので、上述した、3,000万の人の分で、750万、5,000万の人だと、1,250万も負担することになります。一時的に、小金持ちになった「団塊おじさん」たちは、今までずっと我慢していた「欲しかったもの」を、買いに出ます。デフレとあいまって、モノがどんどん売れるのです。子供の考えなど無視して、二世代住宅に建て変えたりします。車も、高級車に変えたりします。海外旅行、当然、バンバン行きます。これからしばらくは、団塊の世代を抜きにして、消費やトレンドは語れません。