美作的日々
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美作dongdong
美作=阿部力くん大好き! 阿部くんネタはもちろんですがー 今まで行った旅行のこと、これから見たい所蔵映画ビデオ数百作、好きな本・好きな音楽、何でもあり!のブログです (2006/8/12start)
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先週見てきました。 プレミアシートで、ゆったりで嬉しかったー ちなみに、他の客層は・・・やはり年齢高め 木下恵介監督生誕100年の記念作品です。 はじまりのみち (2013年「はじまりのみち」製作委員会) 監督・脚本:原恵一 あらすじ 戦時中、監督作「陸軍」が戦意高揚映画でない、と 軍部からマークされてしまった木下恵介(加瀬亮)は、 次回作の製作が中止となってしまう。 そんな状況にうんざりした彼は松竹に辞表を出し、 脳溢血で倒れた母たま(田中裕子)が治療を行っている浜松へと向かう。 戦況はますます悪化し山間地へと疎開すると決めた恵介は、 体の不自由な母をリヤカーに乗せ、兄敏三(ユースケ・サンタマリア)や 荷物運びを手伝う便利屋(濱田岳)とともに、17時間に及ぶ山越えをする。 ・・・という、非常に淡々とした内容です。 戦時中の話ですが、戦争の場面はほとんどなくて、 ただ、国民の生活は困窮しているし、疎開疎開で人々は国内を移動し、 満足な食べ物、着る物、安定した生活もなく、本当に厳しいです。 そんな中、作りたい作品が作れず、 失意のまま辞表を出して実家に戻ってきた木下恵介監督と その兄や母を含む家族が、つつましくて強い絆で結ばれていると感じました。 恵介監督は、父親(斉木しげる)にいわせれば、言い出したらきかないタイプ。 バスなどの乗物を利用するよりも、リヤカーで静かに運ぶほうが、 母親のためにはいいのだ、と思えば、絶対にやり通すのでした。 まあとにかく、ほとんどが山越えの、 淡々とした出来事で、土砂降りの雨でも(おしゃれイズムで言っていましたね) ただひたすら山越えを目指す。 そして印象的な場面、朝日を拝む 母親にならって、兄弟も手を合わせる。 何を願うのか・・・ まあとにかく、まずは濱田岳くんが、いい! 明るくてお調子者で、やっと宿泊できた旅館でもそこの娘たちと仲良くなって 宿屋のおかみさん(濱田マリ)ににらまれるという、、、 ツライ道中で疲れきった恵介や敏三も思わず笑ってしまうような、 憎めないキャラです。 それに、映画のことをつい考えてしまう恵介に、図らずも 「陸軍」の問題とされた、戦地に向かう息子を泣きながら見送る母親のシーンを 泣かされた、と絶賛してくれるのです。 もちろん、恵介がその作品を作ってくれた監督とは知らずに、です。 映画を撮りたい気持ちは常にあるのに、落ち込んでいた恵介を 意外な形ですくってくれた便利屋くん。 ホント、濱田岳がはまり役で、こりゃいくら加瀬亮の演技見に行ったとは言っても 主役くったか?くらい良かった。 でもね、やっぱ加瀬亮は泣かせてくれた。 そして田中裕子さんも泣かせてくれた。 最後のほうで、不自由な身体で一生懸命たまが書いた恵介への手紙。 溢れんばかりのたまの愛情と励ましに、思わず恵介は大泣きしてしまいまして、、、 見てるがわもうるうる。 まわりの人たちも洟をすすってうるうる・・・ 徹子の部屋に出演したときに、時代は違っても 作りたい作品をなかなか作れずにいる人は今でもたくさんいて、 映画の現場でそういう人をいろいろ見てきたから、木下監督の気持ちもわかる、 ということを話していましたが、そんな当時の木下監督と現代のたくさんの 映画製作者の気持ちを代弁したかのような、嗚咽でしたね・・・ そして、最後はまた荷物をしょって、ひとり振り返らずに歩いていく監督の姿。 ああ、また監督をする決心をしたんだな、という力強い足取りでした。 パンフレットには、 アニメ映画を 手がけてきた原恵一監督の、初めての実写映画ということで 絵コンテとか撮影日記とか、いろいろ載っていて面白かった。 また実際に移動したとされる道のり? も詳しく載っていました。 宮崎あおいは、ナレーションと ほんの一瞬だけ出てきますが、これも印象的。 恵介が思わずレンズをのぞくように見ていた、小学生を連れた先生です。 二十四の瞳のような。 こんなたたずまいだったのだろうか、と 想像してしまう、復帰後の木下監督が白のスーツで颯爽と地元の海岸を歩く姿。 監督復帰したあとに戦争は終わり、3年後たまさんは亡くなったそうですが 木下恵介作品が映画のラストに、たくさん流れます。 コラージュみたいに、ホントいろいろ。 ああ、こんな作品も撮っていたのか、これもそうなのか、と 古さを感じさせないし、いつでも家族を感じるような作品が多い。 【送料無料】シナリオ 2013年 07月号 [雑誌] そういや、今出ているシナリオという雑誌に、今回の脚本が掲載されています。 ラストのシーンは、実際の映画と違ったと思うけど。 ラストは、たまがリヤカーに寝ながら、傘を少しずらしてみた、 青い空と浮かぶ白い雲・・・でした。 はじまりのみち (リンダブックス) (文庫) / 丸尾みほ/著 原恵一/原案 いろんな雑誌やWebのインタビューを見たけど、 これをきっかけに、木下監督作品がもっと広い世代に広まるといいと思いますね。 そういう私も、ほとんどちゃんと見たこと無いので、 いいきっかけかもしれません。 とにかく、キャストも一人ひとりすごく良くて、 しんみりと温かい作品でした。
首! 2023.12.28 コメント(1)
MINAMATA 2021.10.02
切なかったベル・カント 2020.02.24
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