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テーマ:幸せの法則について(434)
カテゴリ:社会
STVラジオのホットスクランブルという番組がある。毎年野球放送が始まると同時に終わってしまうのだが、なかなかファンも多い。その番組の中で今「我が人生に乾杯を!」というタイトルでメッセージを募集していた。3月17日で締め切られたはずだが、振り返れば「それも我が人生」と受け止め、「今では乾杯できる思い出話」をとのことだった。
毎週そこに応募された沢山の作品のうちの一通が紹介されていたようだが、それをたまたま先週聞くことが出来た。それはだいたいこんな内容だった。 40代の男性からの手紙で、彼は妻の浮気が原因で一度離婚している。妻と一緒に自分の娘がいるが、自分の意志で今も養育費を送り続けているという。彼は5年前に再婚した。再婚相手は夫の浮気が原因で離婚した女性で2人の男の子がいた。確か上の子が現在小学校6年生、下の子が小学校2年生と紹介されていた。 彼は2人の男の子を我が子として一生懸命愛し、本当の親子になろうと努力したが、2人とも自分たちを捨てていった“大人の男”というものに強い反感を持っていて、全くなつこうとせず、特に上の子はほとんど口もきいてくれなかったという。彼の妻は何度も泣きながら「あなたがこんな苦労する必要はない。もう無理だから別れましょう」と言ったという。でも彼は諦めず、子ども達と本当の親として接し続けた。 先日上の子の小学校の学校参観があり、卒業に当たって小学校の想い出をテーマにそれぞれの子が作文を書き、順番に生徒達一人一人が読み上げていった。みんなそれぞれ修学旅行の想い出や友達や学校行事の想い出などを元気に話していた。彼の息子の番が来て、夫婦で参観に来ていた彼等は静かに聞き入った。それはこんな内容だった。 「お父さん、いつも僕と弟とお母さんを全力で護ってくれてありがとう。沢山いろんなところに連れて行ってくれてありがとう。いつも笑顔でいっぱい話し掛けてくれて、沢山遊んでくれてありがとう。沢山叱ってくれてありがとう。これからもずっと僕と弟とお母さんを護ってください」 この子が「お父さん」と呼んだのはこの日が初めてだった。父は周りに誰がいようが溢れてくるものを抑えることなど出来なかった。声をあげて男泣きに泣いた。妻はあまりの驚きに顔を上げることも出来なかった。先生も周りの親達も全員が泣いていた。 ラジオでの話しなのに、聞いていてこちらも嗚咽していた。視界が霞んだ。小さな心でも、恥ずかしくて素直になれなくても、子供はしっかりと親の行動が真実の愛の行動であることを見抜いていたのだ。心を傷つけるのは簡単だが、それを修復することは無償の愛が必要になる。だが、それによって得られる幸せは、表面を繕って生きている人達には想像もつかない閃光なのだろうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/21 07:09:22 PM
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