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カテゴリ:ポエム
ある夏休みの日曜日。 朝早くに起きて、父と一緒に出かける。
そう 海水浴に行くのだ。 行き先は二色の浜。 (二色の浜は、まだ海水浴場として残っているが、手前の浜寺、助松、なんてのはなくなってしまった。 当時は二色の浜が一番遠く、その分 きれいだった) 難波へ出て、そこから南海電車に乗る。 駅を降りてけっこう歩かねばならないが、駅前からすでに海水浴客目当ての店が建ち並ぶ。 海だ お天気もよく、かっこうの海水浴日和。 まだ朝早いので海辺も空いている。 水着に着替え、準備体操をして海に入る。 とはいっても、残念ながら私は中耳炎、トラコーマなどで、小学生のうちは授業でマトモにプールに入ったことはない。 したがって泳ぎは苦手である。 が、父は非常にうまい。 もっとも、旧海軍に居たから、泳ぎは必須である。 このときも怖がる私を肩車して、沖まですいすい泳いでいった。 一応 遊泳区域のブイが設置してあるが、そのギリギリ、いや ひょっとしたら過ぎていたかもしれない。 かなり沖まできている。 沖から見る海辺の景色は、いつもの景色とちょっと違って格別だ。 しかし 泳ぎの得意でない人は船に乗る以外には見られない。 戦時中、父は呉の潜水艦基地の無線通信技師だったそうだ。 水上勤務ではないとはいえ、定期的な訓練には参加しなくてはならない。 だから、水泳訓練もカッター(ボートの一種)訓練もある。 もちろん海軍であっても、すべての人が泳ぎが得意ではない。 が、少なくともカナヅチはいない。 空いている午前中にひと泳ぎして(もっとも こっちは砂浜近くにしか居なかったが・・・)、午後12時前に切り上げ、電車で難波に戻る。 難波ではお決まりの蓬莱の豚まんをお土産に買う。 このときは遅いお昼をここで食べた。 豚まん を買うのはよく来るが、店に入って食べるのはあまりない。 豚まんやシュウマイで満腹、ご機嫌で帰途に着く。 蓬莱の豚まんはうまかった。 というのが、いつもの海水浴。 しかし 今日は違った。 父 ひとりでどんどん沖へ泳いで行く。 「父さぁ~ん!」 と呼ぶと、器用に立ち泳ぎして、こっちに手を振っている。 それでも泳ぐのを止めない。 だんだん遠くへゆき、とうとう見えなくなった。 そこには ただ青い空と広い海があるのみ。 今日はお盆、精霊送りの日。 父はあちらへ帰っていったのだろうか? 「お盆に海に入ってはいけません!」というのは昔から言われていること。 そう 海に引き込まれるから・・・ 尚、父母については、過去ログ「スピッツ」で、もう少し詳しく書いてあります。 本日は お盆特別編 時間外更新 尚、昨日のブログは 「古銭」←ご覧になってない方はこちらもどうぞ <オマケ> シリーズ化してしまった懐メロ 「少年時代」、「親父の一番長い日」、「北の国から」 なぜか大学からアクセスの多い別ブログ ●別ブログ8/6の新着は「値引き値札」 前回は「1人前」 こちらも見てね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月16日 15時18分02秒
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