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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
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 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2016年07月29日
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カテゴリ:カテゴリ未分類

【7月29日・金曜日】


 朝、5時半頃起きて台所の窓を開けてやると、真っ先にキウイ姐さんが物干しロープに飛び出していった。私は内釜に1日3食分の1.5合の米を入れて研ぎ、電気釜にしかけて次に猫の砂箱の掃除をした。

 その後サロンに戻ってテレビのスイッチを入れ、朝6時からは日本の正午のニュースを見るのが日課である。そのうちに台所から2匹、3匹、と猫達がサロンに入って来て私の周囲に座り始めた。

 不思議なことに顔が合うとどの猫も後ろを振り返って、廊下の向こうの台所の方を見て、もの言いたげにまた私を見る。「台所で何か起きたのかな」とさすがに私も気になって立ち上がり、台所に急いだ。猫達も一斉に付いてくるので何か異変が起きたのは確かだと思った。

 窓の下を見ると、高い塀の内側に3本の枯れ木が立てかけてあり、下に黄色い大型の猫がうずくまっているのが見えた。ピスピス、と唇を鳴らしてみると、緩慢な動作で猫が頭を上げ私を見た。ありゃりゃ、急いで家の中に戻って黄色い猫を探したがいない。

 
向こう側の塀に立てかけてある枯れ木に顎が激突したようです。可哀想に。
これは後日撮影したもの。寝そべっているのはシェケルちゃんです。


 じゃあ、キウイ姐さんはサーカスの女王と自他ともに認めるアクションスターだと言うのに、私が台所から戻って間もなく下に落ちてしまったのだろうか。

 私はうずくまるキウイを撮影するブロガー根性にはなれず、一刻も早くと思ってそのままエレベーターに飛び乗った。駆け付けて見ると、それは紛れもなくキウイで、洗濯干し場の腕木の先端から落ちたのは明白だった。

 動けないキウイは口の周辺が出血とよだれでびしょびしょだったが、私はそっと抱き上げた。骨折などはないようだが、急いで部屋に連れ帰り、ソファに新聞紙を敷いてそこに下ろした。

 すぐにも獣医に、と思ってもまだ朝の6時少しすぎたばかり。しばらく様子をみることにした。キウイはじっとおとなしくしていたが、口の周りをウェット・ティッシュで拭ってやろうとしても嫌がった。


 
ソファに座らせたら、ショックが大きいのかじっと身動きもしません。


 前夜、書きかけたままのメールの返事があり、電気釜のスイッチを入れてからその続きを書いて送信し、内外の猫に朝食を配り、キウイには缶詰を食べさせようとしたが見向きもせず、口の周辺に触らせようともしないので、しばらくそのまま置いておいた。


 午後、オズギュル先生に電話して診察に連れて行く旨を伝え、ジハンギル・タクシーを呼んで7月始めから下痢の続いていたシェビィもキャリーボックスに入れ、2匹を連れてエティレルまで行って貰った。運転手さんは動物好きらしく、後ろのトランクには入れず、私の声が聞こえるようにと後部座席に置いてくれた。

 幸い、どちらも座席を汚すことなくクリニックに到着、すぐにまずキウイから診て貰った。すると、意外に重傷で、顎をぶつけたときに奥歯が1本折れてしまい、それをピンセットで外したら、その歯根もかなり進んだ虫歯なのだった。


 
助手のアーデム君に運ばれて診察室に入りました。なんだか怯えています。


 「オーオー、キウイや、よく我慢したね。相当な衝撃でどれほど痛かったことだろう」と先生はキウイの頭を撫でた。

 オズギュル先生は言う。「触診ですが、おそらく顎の骨に亀裂が入っています。手術して虫歯を抜き、顎の下に薄いメタルを入れて亀裂の個所を支えます。5日間の入院を必要とします。後は自宅療養で大丈夫でしょう。ときどき傷の治療と状態を診せに来て貰いますが・・・」

「そうですか。ではこの手術や入院費の概算はどのくらいになるでしょう」
「ほかならぬ加瀬ハヌムの大事な猫です、出来るだけ支援しますので安心してください。これこれしかじか・・・・」

 数字を聞いて私は息を飲んだ。シェビィの治療代と合わせたそれは、ちょうど私が5月からつい先ごろまで、髪をかきむしりながら、やっとのことで仕上げた翻訳料のうち、友人に訳して貰った分を払った後の、自分の取り分とほぼ拮抗する額だったからである。

 きゃ~っ、聞いたかい、キウイ姐さん。


 8月から今度は翻訳代の収入で、自分の下顎の治療に通うつもりでいた私は、大きな番狂わせが生じたとは言え、あの翻訳をやっておいたからこそ払えるのだ、と瞬間で決意が付き、覚悟は決まった。もの言えぬキウイの顎の治療は、飼い主の私が放っておくわけにいかなかった。泣き笑い

「先生、ではお願いします。明日早速手術をしてやってください。退院の時にまとめてお支払い出来るようにします」
「加瀬ハヌム、まとめてでなくともいいですから・・・」

 親切に言ってくれるオズギュル先生に微笑みを返しながら、私はこの翻訳で働かせて貰って本当によかったと思った。

 私には代金はほとんど残らないにしても、日本語に直すために、必死に巡りの悪くなった頭の中を掻き立てて、人一倍努力した事実と「あら~、初めて知ったわ」と言うような、歴史上の面白いエピソードなどなど、経験として全部自分の頭に残るわけだから、差し引きたいへんなお得、儲け、みたいなものと思えばいい。

 かくてキウイは8月4日か5日には戻ってくる。物干し場でサーカスをやらないように説得したら言うことを聞くかしら。












   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




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Last updated  2016年08月04日 12時50分15秒
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