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2016年08月10日
カテゴリ：イスタンブール日々新たなり
【８月１０日・水曜日】 私が数ヵ月前から、ばたばた、おたおたと慌ただしくまとまりのない、やたら忙しい日々を送るうちに、猫は窓から落ちて怪我をするわ、何度もテロがあった上にクーデターまで起こってしまって、かねてから約束のあった次なる仕事も、日本に行くことに決まった、という次の日にクーデター勃発で、トルコが非常事態宣言となり、どうやらこの仕事も取りやめになる公算大である。 毎年８月末から９月初めにかけて会社から夏休みを貰って、トルコを訪問してくれていた伊久子さんも、今度ばかりはとうとう周囲を押し切ってまでは出て来られなくなり、今夏のトルコ行きを断念するしかなくなったと言うので、私の楽しみも一つ減ってしまった。 それでも、８月７日のイエニカプ・デモクラシー集会に、ここまで打撃をうけていながら、国旗を振り振り元気いっぱいで集まってくるトルコ国民を見ては、くよくよしていてはいけない、たとえ伊久子さんが来られなくても、この機会に家の中を全部清掃するのだ、とひそかに決意を固め、風呂場からこっそりと掃除を始めたのが９日の朝である。 どうしてこっそりと掃除を始めたかと言うと、「さあ、掃除をするぞ！」と宣言したり、ものものしく頭にスカーフを巻いてマスクなど掛けて準備万端整えると、決まって停電や断水となって、掃除が出来なくなるからだ。 明日１０日に瞬間ガス湯沸かし器、コンビマキネシの点検にサービスマンが来るので、猫の足跡が入り乱れた汚いタイルの床は見られたくないし、当日間に合わないといけないので今日から掃除を始めて正解だった。 そして一夜が明け、本日１０日が始まった。今日はどうやらサロンの猫の毛退治に乗り出せそう。風呂場はとりあえず見苦しくない程度には掃除出来ている。サロンもさっぱりと掃除機で吸い取り、雑巾がけまでしてしまおう。そのあと、台所をじっくり掃除すればいいし。  朝食には、お好み焼きを作りました。これならおかず、いらないし。 では台所を掃除する前に、朝からずっと書きかけだったFacebookの知り合いに質問されていたことがらをまとめ、送信しようとしたところ、突然画面が真っ暗になって、書いてあったものや、ほかの画面も全部消えてしまったのだった。パソコンの底部を触って見ると、恐ろしく過熱してしまっていた。余りに熱くなってシャットダウンしてしまったのだろう。 仕方ない、じゃあ、先に掃除をして、その間にパソコンのモーターをよく冷やそう。ところが私はよくよく掃除に縁がないと見え、水フィルター式掃除機を組み立て、張り切って本棚の上の毛玉を吸い込み始めたら、２分もしないうちに急にぱたっと吸い込まなくなり、同時に部屋中が焦げくさくなった。ふと見ると、掃除機の後ろからもくもくと白煙が立っている。 ゾーッと鳥肌が立った。断水の方がまだまし！ 慌ててプラグを引き抜き、濡れぞうきんをモーターの上に置いて熱が冷めるようにし、猫を追い立て台所に逃れた。幸い、掃除機は爆発も火災にもならず次第に焦げくささも薄れてきたので、ジハンギル・タクシーのアリ・シャーヒンカヤ運転手に電話をかけて見た。 「何、またあの掃除機か？ ユミコ、もうあれはいい加減に諦めて新しいのを買った方が得だろう！ 最初の１年に何度修理屋に持ちこんでるか覚えているか？」 そうだ、アリさんの言う通り、何度カスムパシャと言う地区にある修理屋に通ったことか。この３年間の修理代とタクシー代でとっくに掃除機の値段をはるかに超えている。しかも酷使が原因で、と言うわけでなく、たまにしか使わないのに、それでも使うたびにどこかが壊れているのではないか、と思うほどだった。 修理屋に電話して聞いてみると、モーターの取り換えは部品代８０リラ程度だそうだ。それに往復のタクシー代５０リラ、出来上がりを取りに行く時のタクシー代５０リラで軽く２００リラ近い出費である。  停電もなし、断水もなし。モーターが焼け切れてしまったわが家の掃除機  どうしようか、どうしようか、考えていても仕方ないので、では台所で冷蔵庫でも掃除しようと廊下を通ったら、風呂場との仕切りの壁がどうも、かなり膨れているのに気が付いた。 指で押してみると、あちこち、ぼろぼろとはがれて来た。えーっ、最悪！ よく見て見ると、やはり去年の７月にトイレの貯水槽をオグリが割ってしまったときに、修理を頼んだテッサッチ（水道工事）のウスタがいいかげんな仕事で、あちこち無理に締めあげて水が止まっているように見せかけていただけで、実際にはわずかずつ壁の中に漏水していたらしいのが分かった。  しばらく前から、おや？とおもってはいたものの、触っただけでもこんなにぃぃぃ～ 触れば触るほど崩れ落ちて来て、かなり大きな島のように壁が露出、ほかにも２～３ヵ所ペンキがはげ落ちてしまったので、ウスキュダルのアフメットさんに電話してみた。 すると、今日は用事があるので明日の昼までには見に行きますよ、と言う。彼は私が何年か前に日本に行くので、１０日ほど泊まりがけで猫を見て貰ったとき、頼みもしないのに（親切のつもりで）うちの壁の一部を塗り替えてしまい、そこだけ色が違って私をうんざりさせたことがあるのだが、とりあえず男手が要りそうだ。 「そう言えばアフメットさん、うちの掃除機がさっき、モーターが焼けて駄目になってしまったんだけど、お宅のはどうした？」 「ええ、うちのもモーターがしばらく前に焼けて、８０リラとか修理代を取るというので、もう投げましたよ」 「ええっ!? じゃお宅のもおシャカ？」 「そう、買うときは安くてもすぐに駄目になりましたよ」 彼はごく当たり前のように、こともなげに言った。 全く、タダより高いものはない、というが、実は私の掃除機も、彼がキャンペーンで５０００円くらいなのを見つけたとかで、頼みもしないのに２台買って、そのうちの一つを私に持って来てくれたのだった。 しかもその前の掃除機も、４５００円くらいで見つけたらしく、届けてくれたのは有難いが、その掃除機は清掃後、９つの部品に分解して、そのうちの７つを洗わなくてはいけないので、私がすっかり掃除嫌いになってしまったいわくつきだった。 同じく安物、とは言いながら、３年前に貰った今の掃除機は使いやすくて洗う部品も２つだけでよく、誠に便利だったのだが、何しろすぐあちこちが壊れて、そのたびに指定の修理屋が遠いので、部品代よりタクシー代がかさんでしまったのだった。 朝早くから立ったり座ったりしゃがんだりして、何となくへとへとになってしまったので、朝はお好み焼き、午後は遅い時刻にタヴック・ドネルを食べて過ごし、掃除機は修理に出すか、新しいのを買うか、明日の朝決めようと思い、夕方はパソコンの前に陣取り、この何をやっても駄目な日のことを写真入りでFacebookにでも記録しておこうと言う気になった。 まだ８月になってから１日もブログが書けないままでいる。忘れないうちにアップが簡単なFacebookに載せておくとあとで書くにも都合がいい。 今朝のように、古くなったパソコンがすぐに熱を持ち、書いてアップしようとすると途端にシャットダウンしてしまう、というようなことにならないように、冷蔵庫から保冷剤を幾つも出して来て、パソコンの下に置き、トルコ語、日本語と両方書くにはかなりの時間とエネルギーを要するのでなかなか仕上がらない。 その間にも電話はかかってくるし、アパルトマンに水の大壜やピザやその他出前の配達に来た人達は、私がこのところかならず家にいるだろうと踏んで、わが家のチャイムを鳴らすので、ついはじかれたように席を立ち、玄関の衣裳棚の奥にある、ボタンを押して開けてやったりしているが、それって、本来はカプジュの仕事ではないのか。  タヴック・ドネル（チキンのドネル・ケバプ）を取り寄せました。ところがなんとまあ・・・  サンドイッチになったチキンの肉をくれくれキャッツが８匹、にらみを利かすので緊迫状態 立ったついでに、台所に寄って水を飲んだら、あ、洗濯物を取り込まなくては、あ、外猫達が餌を待っている、何のかんのと用事を思い出し、うっかりまたパソコンの画面をつけっぱなしであることを忘れ、しばらくして戻るとまた過熱していて消えてしまっていたり。 あああ、全く付いていない。 ４時過ぎに瞬間湯沸かし器コンビ・マキネシのサービスマンが来て、それはそれは丁寧に掃除した上、どこからどこまで点検しメンテナンスを終了、家で接待出来ないので、どこかでチャイを飲んで下さいね、と心付けを包み、本日のメイン・イベントは無事に終わった。  覆いを外して機械むき出しの時は写真を撮るのを忘れ、最後に思いだしてパチリ。 掃除機はもうどうしようもないので水フィルター部分をきれいに洗い、モーター部分も丁寧に拭いて、サロンは仕方なく箒と塵取りでざっと掃除した。 さて、夕方ようやく、トータルで２～３時間もかかって、Facebookのページにアップできる状態になったので、「投稿する」ボタンを押した途端に、「エラーが発生しました。一旦操作を中止してこのアカウントを閉じ、もう一度最初からやり直してください」と画面に無情な警告が出て、考える暇もなく、苦労して書いたものが、ぱっぱらぱ～、と消えてしまう口惜しさ！ 夜９時少し過ぎたばかりだと言うのに、今日は一日何をしていたのか、と思うほど何の成果も残っておらず、十枚もの写真のそれぞれにキャプションだけでなく、状況説明をしながら書いた分がなぜ、どこに消えてしまうのか、悔しくて仕方ない。 それでも晩はお陰で９時半くらいに横たわり、早目に寝られることにはなったのだが、もう、今日は一日朝から晩まで、意のままにならぬことの連続で本当に参った。 明日こそはFacebookを書き直してブログもアップするぞ、と思っても、明日もどうなるかは保証の限りではなく、まるで落語の八さん熊さんみたいな私の日常は、残念ながらどうにも改まらないような気がする。     「チュクルジュマ猫会」  アントニーナ・アウグスタ   お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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