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madamkaseのトルコ行進曲

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 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2018年04月26日
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【4月26日・木曜日】​​​​​​​

 
​ 2015年頃から私の住んでいるアパルトマンでは、しばしばアサンソール(エレベーター)が故障したり、廊下と階段を照らす電灯が全くつかなくなったり、入り口についている各ダイレ(フラット)に通じるジル(呼び鈴)がまったく機能しなくなったりするようなことが多くなってきた。ビルは地上7階・地下1階建てで、地上階にはエレベーターとらせん階段を挟んで廊下の両側に、入り口が向かい合わせの2軒の家がある。

 イスタンブール新市街のランドマークであるタキシム広場から、若い人の足なら5~6分でスラセルビレル通りの坂道を降りて来られる距離にあるチュクルジュマは、ジハンギルの商店街のすぐ西側に位置し、トルコ随一の名門ガラタサライ高校のある、トルコ銀座とも呼ばれるイスティクラール通りにも通じる非常に便利なところで、骨董品店が軒を連ねていることでも知られている。

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​ ところがこのアパルトマンはもう5年ほど前から、住民の中から互選でヨネッティジ(管理人)を選んで運営されてきた住民会議の出席者が年々減り、最後のヨネッティジを数年勤めたAさんという女性が、会議を開こうとしても、6号室のS氏(トルコ国籍を持つ外国人)と8号室の私だけしか出席しないことが続いたため、とうとうヨネッティジを降りてしまい、元カプジュが好き放題にのさばる原因となってしまった。​

 かつてはアパルトマンの清掃、ちょっとしたメンテナンス、住民に頼まれた1日2回の買い物サービスを、1戸あたり月額いくらのアイダット(月給)をヨネッティジが集めてカプジュに渡していたものが、ヨネッティジが居なくなると、自分で勝手に値上げして自分で勝手に集めて歩き、数字の根拠も示さないし、領収書も出さない。3年前にこうした状況に不安を感じたAさんとEさん、二人の女性が、ヨネッティジ業務を専門に引き受ける会社があるので、それらの中から建築業のムラット氏にヨネッティジ代行者として依頼し、これには住民のみんなが賛成して、2016年からこのシステムでアパルトマンは再スタートしたのだった。

 娘が、いまに家賃が高騰して払えなくなる時が来るかもしれない、と父親から相続した遺産で、現在の家を購入したのが1998年、私もジハンギルの借家の契約が切れるまで住んで、1999年8月には娘の家に移り住んだ。当時はすべての住民が持ち主の一家だったが、娘の予想通り、その後タキシム広場に近いジハンギルとチュクルジュマは地価が高騰し、半数以上が貸家として家を出て、自分達はもっと低廉な郊外に転居したりして、現在では家主がそのまま住んでいるのはうちを入れて4軒だけになってしまった。

 かつて、14戸の住民(家主)と、1階の二つの店舗で16軒の住民のうち、3軒ほどがカプジュのアイダットを何年も払わない連中がいて、カプジュがいくら催促しても払わないため、とうとう彼ら3者を訴える代わりに、カプジュは16軒すべてを相手取って裁判所に訴訟を起こしたのだった。これはムラット氏をヨネッティジに依頼したすぐあとのことである。カプジュはこの件をムラット氏にも告げず、もちろん住民の誰一人として知らないうちに、駆け込み寺ならぬ裁判所に駆け込んだのである。

 ところが裁判所からの、調停日時を知らせた公文書の封筒を、カプジュが懐に仕舞い込んで正規の受取人であるヨネッティジあるいは住民たちには一言も言わず、当日自分だけが裁判所に行き、22年勤めたので8000日くらい働いたのに、住民たちは自分にたった18日しか休暇を与えず、1日16時間勤務させてしかも、ろくにアイダットを払わず、食うにも困るありさまだ、と言いたい放題の嘘っぱちをついて帰ってきたらしい。

 もちろん、誰一人出席しなかった住民側は、当然裁判所の呼び出しを無視したうえ、雇用していたカプジュを社会保険にも加入させなかった、などと言う複数の罪状を問われ、イシクル(労働省の監督機関の一つ)から、まともな勤務をしていた場合のカプジュの退職金にも相当する高額な金額を罰金として国庫に納める義務が課され、私たち住民は1戸あたり5000リラ(当時のレートで20万円弱)に近い金額を数回の月賦で否応なしに払わされることになった。

 すると、アイダットを払わなかった3軒は住民グループから離脱して、これはびっくり、カプジュの肩を持つことになった。そして、カプジュが退職金としてまともに働いていたなら50,000トルコリラくらいを受け取る権利があるのに、実際にうちのカプジュが16時間働かされた、と言うのは大ウソで、8時間すら働かず、アパルトマンを抜け出してはほかの店やら仕事やらに行ってしまっており、住民がカプジュに何か頼もうと思ってもいなかったり、アパルトマン内の廊下や階段、アサンソールの中もろくに掃除をしないのでいつも小汚いありさま。

 2005年までは冬場連日、朝から夕方まで石炭を焚いて、セントラルヒーティングの管理をしなくてはならなかったのに、天然ガスの導入で、カプジュは自分の家のストーブの薪割りだけすればよくなったのである。だから、平然とよそにアルバイトに行き、本来の自分が雇われているアパルトマンの仕事を思い切りさぼって平気だったのである。

 それを知ってアイダットを払わなくなった3軒は、いざとなればカプジュを脅す切り札を持っているわけで、その3軒がカプジュ側の支援者になって、正直な家主グループを相手取って、カプジュが家主グループに関して噓八百並べ立てて、まんまと裁判所をだまし、イシクルに無駄な罰金を払わせたのに味を占めて、退職金を80,000リラ要求してきたところに、悪い奴らが加担していきなり、100,000リラの退職金を要求してきたのだった。

 その上、私達がいわれなき罰金を払うのにヒイヒイしていた2017年には、カプジュの強欲な女房が、「アパルトマンの住民たちは、最後の7~8年、掃除婦として自分を働かせておきながら、一銭も料金を払わなかった」と言ってまた新たな裁判を起こしたのだった。この女は私がジハンギルの家に住んでいた頃からのまじめな掃除人、ギュレルさんを辞めさせて仕事のない私を雇ってよ、と顔を見るたびせがむので、ギュレルさんにも相談したら、お宅のカプジュたちは自分と同郷の人間なので、彼女に仕事が見つかるまで、私がマダムの家の仕事をしばらく休んでもいいよ、と天使のように優しい返事が来た。

 カプジュの女房がどうして勤め先をしくじるか、というと、以前、ジハンギルの小学校で放課後の掃除に雇われていた時期、学校には年間予算でまとめ買いした洗剤やら掃除用の道具が倉庫に山のように保管されているので、帰りに道具を仕舞に行くふりをして、着ているコートの内側に洗剤を2~3本忍ばせて帰り、別な日にほかの家の掃除に行ったとき、それを途中で買ってきたからお金頂戴、と盗品を売るのである。あまり頻繁に洗剤が減ってしまうので、学校側も在庫調べをしたらしい。当然クビになった。


 しかも、仕事をクビになってしばらく家にいたので、私の家に来るギュレルさんの人がいいのに目を付け、まんまとわが家の掃除を彼女から横取りして、そうなると来るたび私の財布から現金を盗んだほかにちゃんと料金も受け取り、自分が来ない日はまだ小学生の娘に、泥棒のやり方を仕込んで、「ジャポン・テイゼ、猫と遊んでもいい?」としばしば遊びに寄こしたものだ。10年前にこれに気づいた私が親心で、警察には突き出さず、母親が注意してやるように、と温情をかけたのに、近所中に「ジャポン・テイゼが私と娘を泥棒だと言っている!」とチュクルジュマ通りから周辺のビルに向かって大声で叫んで訴え、私を嘘つきに仕立てて罪をなすり付けようとしたことがある。でも、「ハハン、あの女、マダムからも泥棒していたんだな」と却って宣伝したかのようになってしまったのである。

 それからほどなく、私も知っている人の紹介で女はタキシム広場の少し先、ドイツ総領事館の近くの会社で、アフターファイブの清掃の仕事を得て、「あたしは来月からタキシム広場のそばの会社に働きに行くからもう、あんたの家の掃除には行かないよ!」と偉そうにどや顔で私に通告した。私だっていやだよ、こんな人間雇うの。ところが1ヵ月ちょっとしたらまた夕方でも玄関前に座って、暇そうにしている。彼女を紹介した人が「恥をかいた」と私のところにやってきて真相を話してくれた。

 オフィスの掃除の仕事で2時間のパートタイムで雇われた女は、社員が全部帰ってしまった後、掃除ではなく、会社の電話で自分の実家、姉や妹の嫁ぎ先、友達の家などなどに電話をかけ続け、1ヵ月後会社には膨大な市外通話料金が請求されてきたらしい。時刻が全部5時以降で、会社の業務とは無関係の、あっちこっちの県にまたがって長時間通話が続き、1ヵ月の累計では相当な金額になって、その時刻に社内にいるのは掃除の女しかいないので当然ばれることに気がつかず、喋っただけ得をしたかも知れないが、紹介者が呼ばれて嫌味を言われ、給料1ヵ月分だけ電話代は取り上げられ、追い出されてしまったのだそうだ。そりゃあ、紹介者はいい恥をかかされたであろう、気の毒に。

 さて、そんなある日、幼いころから膝に抱いたり、髪を結ってやり、親に連れて行って貰えないので、私がときどき彼女の兄も一緒にマクドナルドやバーガーキングに連れて行ってやり、孫のように可愛がっていたのに、親の血を引いてふてぶてしい口答え女になりつつあったこのカプジュの娘は、泥棒事件が発覚したしばらく後、謝りたいからうちに来てほしい、と電話をしてきたので、地下室のカプジュの家まで降りて行くと、母親が戸口で仁王立ちになっていて、「この前は、うちの娘を泥棒扱いしてくれたね、落とし前をどうつけてくれるのさ!」と喚いた。

 「この子の方が謝りたいというから来たのよ、後悔したんだよね、Sちゃんや、どうなの?」というと、13~4歳になっていた娘は「ジャポン・テイゼ、サチマラマ~!(馬鹿言ってんじゃないよ)」と母親よりもっと大声で喚いた。「あんたみたいに、お祈りもしないヤバンジュ(野蛮人、または外国人)はね、どんな目に遭っても文句は言えないんだよ。私たちはちゃんとお祈りや断食もするから、神様はお助け下さるけど、あんたなんか野垂れ死にがせいぜいだよ!、さあさ、お祈りの邪魔だ、帰りな、帰りな」

 えっ、この憎まれ口が13,4歳の女の子のセリフだろうか。お前こそ野垂れ死にするぞ、とどなりかえしてやりたいが、それでも私はカプジュのうちが集中豪雨で床上浸水するたびに裸足で棒ぞうきんを持ち、半ズボンを穿いて排水の手伝いに行ってやっていた。時にはひと夏に二度も水浸しになったこともある。そういうとき、自分の懐が苦しいときは、寄付は出来ないがアイダット3ヵ月分を前払いして、窮地を救う手助けをしてきたつもりなのに、なんでそんな女から「カプジュの妻をただ働きさせた一人」として裁判所に訴えられなければいけないのか、恩知らずめ、とつくづく腹が立った。

 そして3年前くらいだったか、その女Zの姉妹や近くの友人達3人がアパルトマンの入り口で玄関を塞いで石段に腰かけ、ひまわりの種を食べながら、皮をプップと口からほき出して、あたり一面を汚しながらお喋りしているところに裏庭の猫に餌をやりに出た私が、「Zさん、ひまわりの種の皮、後で掃除しといてね」と言ったとたん、女が私をにらみつけながら「なんで私が掃除するのよ、あたしはね、カプジュじゃないんだよ!」と口答えした。

 私も娘よりもっと若い女にこんな口の利き方をされては許せない。「汚した人が自分で掃除するの、常識でしょ。それにあんたもこのアパルトマンに住んでいるんだから玄関くらい掃除してよ」と言うと、女は背が高いので私の胸ぐらをつかまんばかりに上から私を睨みつけ、ひまわりの種臭い口を私の鼻の上に持ってきて憎々しく言った。

「このアパルトマンに住んでるんなら、あんたもそうだろ、あんたが掃除してもいいんだよ、たまには!」びっくり


 開いた口が塞がらない、とはこのことだ。私はそれで心底この女が嫌いになり、ナンキョル(恩知らず)の代表選手はこいつだ、と思い、不快な気持ちで自分の家に戻った。それからだ3年近く、女は夫と共にアパルトマンに居座り続け、新たな裁判でもっと稼ごう、とでもしているのだろう。外出から戻った私が買い物の重いビニール袋を両手にぶら下げて坂道をやっと降りてきたとき、アパルトマンの前に女がいるとうんざりしたものだ。彼女は私を見るとさっとアパルトマンの中に入り、バタンと鉄製の、一枚ガラスの重たいドアを閉めてしまう。

 やれやれ、私がビニール袋を下に置き、バッグの中からキーホルダーを探し出して、一番下にある鍵穴にかがみこんで差し込まないと開かないように、わざと戸を閉めてしまうのである。それに数年前から地下室で飼い始めたピットブルのどでかい犬がいて、息子がよそから雌犬を預かり種付けして小金を稼いでいる様子だった。この犬を時々女も散歩に連れて歩いていることがあるが、子犬の時から私を知っているので、アパルトマンの争いのことは知らないから、私をみると喜んで飛びついてくる。

 道を歩いていても、女は知らんぷりしているが、犬は尻尾を振り振り、飛びつくともうすでに私の肩に前足を置いても遥かに私より背が高い。近所の人が、「マダム、気を付けた方がいいよ、あの種の犬は飼い主が命令するとたちどころに首根っこに牙を立てることもあるからね」と私に忠告してくれた。それも或いは考えておかなくてはいけないことだ。犬は恩知らずではないが、飼い主の命令に忠実でそう仕込まれたとすれば、たとえ相手が知っている人でもウサギを見つけた猟犬のように飛びかかる恐れは十分ある。

 昨日、25日の夜、カプジュ一家が引っ越した、と私に教えてくれた人がいたので、夜10時過ぎ、ごみを捨てに出た時、地下の彼らの部屋の明かりが見えるところから眺めると真っ暗だった。玄関に入ってごそごそ音を立てても、あのデカ犬の唸る声はしない。なるほど、出て行ったのか。
 
 一夜明けてからヨネッティジのアシスタント、シナンさんに電話してみると、「やあ、加瀬ハヌム、みんなの2年の努力が実って、4月24日付で裁判所の立ち退き命令が執行され、25日には最後の荷物を出して、ついに24年間住んでいた地下室から出て行きましたよ」とのことだった。シナンさんは「おめでとうございます、加瀬ハヌム。まだ裁判は結審していないので、具体的なことはわかりませんが、引き続きアパルトマンの皆様たちのために私どもも出来る限りのことはしますよ」と共に喜んでくれた。

 かくてこの2年余り、私を悩ませていた一番の問題が一つ解決の方向に向かったことが確認できた。裁判官をだました罪は大きいし、仕事に忠実ではなく、ほかにバイトに行ってしまっていたのも大きな問題で、時には向こうが賠償金をこちらに払わなくてはならない立場となるはずである。まあ、それにしても流血の騒ぎにならなくて本当によかった。それにしても、本当はイスラーム教の教義は正しく寛容なものであることは知っているが、毎日昼間はお祈りに行って、夜は泥棒をして歩く奴もいるし、断食をすればあとの11ヵ月、泥棒しようが詐欺をしようが神様がチャラにしてくれるので、罪にはならない、と考えている人間もいるかと思うと、何ともやりきれない思いがする。

 私は断食も毎日のお祈りもしないけど、自分の心の中に神様と一緒にいて貰っているので、こうした人間のことは理解しがたい。



心が晴れ晴れ、こんな心境で窓の外を眺めています。









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Last updated  2018年04月27日 17時25分59秒
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