今日は、世田谷美術館に行きました。
メキシコ20世紀絵画展。(30日までです)
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
お目当ては、フリーダ・カーロ。
この絵を見るきっかけになったのは、
水木一郎さんのフラワーロックの話題が出たときに、つい、思い出しちまった・・・という気の毒な話から始まっています。
しかし、印刷されたフライヤーは、本物よりはるかに色がきついのです。だから、つながった眉毛とか、ひげとか、ごつく見えるのです。もしかしたら、どんなコピーも、この絵の真実を伝えることは出来ないのかもしれない。 本当の絵は、とても小さくて、写実的に丁寧に描かれていて、
ちょうどかわいらしい人の顔くらいの大きさなのです。
視線が、生きているようで、
たくさんの人のまなざしの中、とまどっているように見えました。
強さとためらいと、「わたしは、こんな姿なのです」と見返しているようでもあり、
ちょっと目をそらしているようでもあり、対峙しているわたしは、
かわいらしさに立ち去りがたい気持ちになりました。
「メダリオンをつけた自画像」というのは、
花嫁衣裳を着けて涙を流すフリーダの姿。
小さいときに小児麻痺を発症して、
その後、子宮を刺される大怪我をしながらも、
画家のディエゴ・リベラと2度の結婚をして、
痛みと戦いながら情熱的に生きてきた女性とあります。
フリーダの絵は、この一枚だけなのですが、
このたった一枚に出会うだけでも、行くだけの価値はあるように思います。
それにしても、用賀から砧公園に向かう道は、
そこここに、このフリーダの看板が掲げてありました。
さすがの彼女も、自分が涙を流している小さい絵が、
60年も経った東洋の町にあふれる様子は、想像できなかったことでしょう。