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カテゴリ:東京下町の暮らし
日曜日の午前11時、近くの公園で遊ばせた二人の子供たちを、家に連れて帰る。妻は買い物に出かけていて、まだ帰ってこない。
「ママまだ帰らないの?」と言いつつ、娘ソフィア(5歳)がTVをつける。が、日曜のこの時間帯は、子供番組など一つもやっておらず、NHKでは将棋番組ばっかり。 「何これ?つまんなーい」と、ソフィアは退屈そうな顔をする。私は洗濯物を干しながら、さすがに幼い子供に将棋番組では可哀想だな、台湾で買ってきた子供番組のDVDでも見せてあげようかと思った矢先、ふと見ると、子供たちはまんざらでもなさそうな表情で、TVの画面を見つめていました。 そこで私は、TVの近くに立ち、オーバーアクション気味に解説してあげました。 「危ない!飛車が、相手の銀に取られそうだ、逃げるしかない」 「今度は角が来た、飛車が危ない!」 「でも大丈夫、飛車は前後左右に好きなだけ動ける強い駒だから」 「すごい、相手の陣地に入って、スーパー飛車になったよ!」 思えば、私が幼かった頃、最初に将棋に触れたのも、5歳か6歳の頃でした。子供心に、一番好きだった駒は、文句なしに「飛車」でした。 もちろん、「王将」が一番大事な駒だとは知っていましたが、所詮、前後左右に一つしか動けない鈍重な駒。それに引き換え、「飛車」は四方にいくらでも動ける、圧倒的な機動力、攻撃力を持つ駒なので、子供にはダントツ一番人気です。 そういえば「角行」も、「飛車」同様に攻撃力の強い駒ですが、ななめに動くところが、よこしまな感じを連想させてしまい、その人気は「飛車」には遠く及びません。 あと、まっすぐ進む「香車」も人気ありますね。あと、「歩兵」が成った後の「と」も人気が高い。子供は漢字読めないけど、ひらがな読めるからね。逆に、全然人気ないのが「銀将」と「金将」。一つしか動けないうえに、動ける範囲が分かりにくいもんね。 話をもとに戻します。TVを見ているうちに、ソフィアは完全に、「飛車」に感情移入してしまい、まるで悪者と戦うプリキュアを応援するように、「がんばれ、飛車~!」と、歓声を上げる始末。そばで見ていた息子ポニー(2歳)も、訳分からないまま、お姉ちゃんにつられて「ひしゃ、ひしゃ」・・・ ママが帰ってくると、食卓では将棋の話題になりました。ソフィアはいつもの通り、英語で話しかけます。 "Mama, Do you know Hisha (飛車) ?" そんなもん、外国育ちの妻には分かるわけありません。ソフィアは"Hisha is flying car!"とか言って、一生懸命説明しますが、難しい。そこで私が助け舟を出し、「要は、チェスの駒みたいなもんだ」と言い、意味は通じました。 今度のクリスマスプレゼントは、ソフィアに将棋買ってあげようかなと思いました。でも、ポニーが駒を口に入れてしまうかもしれないので、もう少し先の話しょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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