顧客の心のつかみかた。
日経新聞のコラムで紹介されていた本を読んでいる。アメリカで洋服店をしている人が書いた本。顧客の心をつかみ、リピーターになってもらうことで繁盛しているらしい。 僕はトラックドライバーをしている。だから、給油のために毎日スタンドに寄る。大型トラックだから、最大で500リッターの軽油がはいる。乗用車の10倍だ。軽油は1リッター、約90円なのでMAXで45,000円の売上になる。 ガソリンスタンドは、燃料を売ってナンボの世界。多くの車がくれば利益が上がる。リピーターをいかに作るかが商売の急所といえると思う。ことに僕のような大型トラッカーを常連にしたら儲かるはずだ。僕は、頻繁に燃料を入れるスタンドがある。別に違うところで入れてもいいのだが、1人だけ特別な人がいるから、そこにしている。スタンドにはたくさんの従業員がいるから、日によって、また時間帯によって、燃料を入れる人が違う。しかし、よく訪れるので皆、僕の顔は知っているはずだ。とても不思議なことなのだが、大きなお金を落とす上客のはずの僕に“いつも、ありがとうございます。”と“いつも”がついている人はひとりだけだ。【アナタが来ているのはよく知っていますよ】というサインだ。また、その人は“これからも配達ですか?”とよく声をかけてくる。その1人以外の従業員は、リピーターを作る姿勢が態度に出ていない。僕もあちらこちらで給油するが、給油スタンドでは仏頂面で“ありがとうございます。”なんていうのも珍しくない。たった1人の接客態度により、僕は特定のスタンドに通っているのだ。