予算委員会協議会質疑(一問一答形式)を公開します
◎佐藤正幸委員 私からまず新県立図書館についてお尋ねしたいと思います。知事は11月24日の金沢経済同友会との意見交換会で、移転後の県立図書館の運営に関して「教育委員会だけでは、機能が貸し借りや閲覧に限定される。公文書、生涯教育、図書館の各機能をトータルで備えるためにもにぎわい創出の観点からも、知事部局で管理運営する方向で考ええたい」と報道されて、その旨、一般質間でも答弁がありました。 しかし、私は慎重な検討が必要ではないかという立場でお聞きをしたいと思うんです。そもそも図書館というのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地方教育行政法の第30条に「教育機関」という位置づけが与えられております。それゆえに図書館長はこの教育機関の長として一定の権限が与えられているはずです。そして、この教育機関とは何かについて、1957年6月11日の当時の文部省の文書では「自らの意思をもって継続的に事業の運営を行う機関である」という説明があります。すなわち、図書館というのは一般の施設とは違って、みずからの意思を持って継続的に事業の運営を行う教育機関だからこそ、図書館は教育委員会の事務局などの行政部門からも明確に区別されていると私は理解をしております。にもかかわらず、改悪されたとはいえ、従来の地方教育行政法の核心である首長からの独立性がある教育委員会、その中でもさらに自立性のある図書館を知事部局に移管することが本当にいいのかどうかと、この根本が私問われていると思います。そこでお聞きしますが、図書館がこういうふうに行政部門から自立をしているということについて県としてはどんな理解をしているのか、まずお尋ねしておきたいと思います。◎藤崎雄二郎総務部長 図書館の位置づけについて、でございますけれども、図書館につきましては、まず社会教育法に基づく社会教育のための機関と位置づけられておりまして、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保などの観点から地方教育行政の組織及び運営に関する法律におきまして教育委員会が所管するものと定められているということになっていると承知いたしております。一方で、地方自治法におきまして、地方公共団体の委員会は、当該地方公共団体の長と協議して、その権限に属する事務の一部を地方公共団体の長の補助機関である職員等に委任することができると定められているところでございまして、図書館についても知事部局で所管することが可能となっているところでございます。本県におきましては既に美術館、歴史博物館などにつきましてこのスキームに基づき知事部局で所管をしているところでございます。◎佐藤正幸委員 今、部長からもお話ありましたが、政治的中立性ということがあるのと、それから私、今美術館と歴博がそうだというふうにおっしゃいましたけれども、それは図書館とは違うと。ここをきちんと理解しておく必要があるのではないかと思うんですね。それで、地方教育行政法の25条の4項を根拠にして、教育長が図書館に権限の一部を委任していることになっています。このように教育長が権限を図書館に委任をしているというのはどういう意味があるかと。私は、これは、図書館は教育機関なので教育的内容にかかわることであって、住民の側からすれば教育の自由にかかわることを含んでいると、私はこういうふうに理解をしています。もう少し言いかえれば、図書館というのは人の精神とか思想に深くかかわる特質を持っているので、行政から相対的自立性を持っ。もっと言うと、文化の自治とか個人の文化的自由の営みに対して行政の介入を防ぐ。そういう意味での自立性が私はあると思うんですね。ですから、もう少し別の角度で言うと、地方教育行政法の第1条3の4項というのがあって、ここに教育機関の設置、管理に関することは地方公共団体の長に管理、執行する権限を与えてはならないと。先ほどの部長の答弁とは違って、ここの項では与えてはならないというふうになっているんです。図書餡を知事部局に移管するというのはこの法律の趣旨にもそぐわないことになると私は考えますけれども、認識はどうか、お尋ねしておきたいと思います。◎藤崎雄二郎総務部長 今委員から御指摘をいただきました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第1条の3第4項の規定が設けられた趣旨でございますけれども、平成27年4月の新教育委員会制度の発足により、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を地方公共団体の長である知事が策定することになったものの、教育委員会の権限に属する事務を管理、執行する権限までを地方公共団体の長に与えたものではないことを確認的に規定したものでございます。図書館を知事部局が所管することにつきましては、先ほど申し上げましたとおり法的なスキームは既に用意されているということでございまして、地方教育行政の組織及び運営に関する法律には反しないものと考えております。◎佐藤正幸委員 では私、別の角度からお尋ねしたいんですけど、知事はにぎわいの創出ということもおっしゃいます。これも私は慎重な検討が必要だと思うんですね。というのは、国土交通省の推進するコンパクトシティ計画というのがあって、すなわち都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画制度という資料の中に、官民連携だと、そして図書館も「集客力があり、まちのにぎわいを生み出す」という位置づけがあります。そこの中で指定管理者制度の導入も推進されています。問題はこの考え方で全国的にTSUTAYA図書館が武雄市とか海老名市とか多賀城市で導入されましたけど、さまざまな問題が起きているのは御承知のとおりです。なぜそうなるかというと、図書舘の基本的機能や発展を図るということではなくて、ただ、まちのにぎわいのために図書館を利用すると、こういう発想に立っからゆがみが出てくると。ここに私はしっかり目を向けておく必要があるのではないかと思います。そこで参考までにお聞きしますけれども、他県で県立図書館を知事部局に移管したというところはあるのかどうか、お尋ねしておきたいと思います。◎藤崎雄二郎総務部長 他県の状況につきましては、愛知県、三重県、奈良県、佐賀県の4県で図書館を知事部局で所管いたしておりまして、そのうち例えば三重県では生涯学習機能などを、奈良県では公文書館機能を併設し、そうした機能と一体となった施設として運営されているものと承知をいたしております。◎佐藤正幸委員 率直に申しまして、公文書機能とかはそれはそうだと思うんですけれども、図書館というこの管理を知事部局が運営するというのはどうかということが私は問われていると思うんですね。知事の言う図書館の貸し借りとか閲覧、これは住民の学習権の保障で、もっと言うと基本的人権でもあると。けっして軽んじられる問題ではないんですよね。要は行政からの独自性が保障される、ここが私はかなめだというふうに思うんですね。公文書、生涯学習機能の充実、それからにぎわいの創出もこれは部局が連携して取り組めばいいことであって、何といいますか、戦後の歴史の中で図書館という教育機関が教育委員会の中に位置づけられてきた、ここの内容をよく踏まえた上で、部局連携で取り組めばいいことであって、図書館を教育委員会から剥がして知事部局に移管すると、それがいいのかどうか、これは別の間題だというふうに思うんですよね。部局連携でやればいい、私そういうふうに思うんですけれども、ここは知事、いかがですか。部局連携して取り組めば済む話ではないんですか。◎谷本正憲知事 新たな県立図書館につきましては、石川らしい伝統を受け継ぎながら今後長きにわたって図書や資料の利活用を通じて多様な県民ニーズに応え、多くの県民の皆様方に御利用いただけるような、いわば石川の知の提点を目指したい、このように考えております。これまでの基本構想検討委員会では「石川ならではの資料の收集と発信について本県が有する特徴的な資源を活用してはどうか」、こういう御意見も多くいただいておりまして、私としては本県が誇る多彩な伝統文化に関する資料や里山里海の自然文化に関する資料などを收集、活用していくことが石川らしい図書館を特徴づけることになるものと考えております。検討委員会においてこれからも御議論いただきたいと、このように考えております。また、新たな県立図書館を県民の知の拠点にふさわしい図書館とするため、図書の貸し出し、閲覧機能と公文書館機能や生涯学習機能を分けることなく一体的に対応することでにぎわいを創出すると同時に、図書館としての機能をトータルとして発揮できるようにしたい、このように考えております。一方、図書館を知事部局が所管することについては総務部長がお答えしましたように、法的なスキームが用意をされておりまして、本県の美術館、歴史博物館などについても平成8年度からこのスキームにより知事部局で所管し、しっかりと運営がなされているところでございます。こうしたことから、新図書館の運営については図書の貸し出しや閲覧にとどまらない広い視野での利活用を図っていくため、知事部局で所管することにしたい、このように考えております。◎佐藤正幸委員 私は別にトータルな機能の発揮はまずいというふうに言っているわけではないことは御承知おき願いたいというふうに思うんですね。繰り返しになりますけど、今述ベたように私は行政から自立性を持つ教育委員会、しかもその教育委員会に関する法体系の中で教育機関として位置づけられて、自主性が保障されている図書館を、行政の長が管理運営するというのはやっぱり慎重な検討が要るのではないかと。私少し調べてみましたら、日本図書館協会というところがございまして、ここが1954年に採択した文書、1979年に改訂した図書館の自由に関する宣言というのがございます。この図書館の自由に関する宣言の中には、資料収集の自由、資料提供の自由、利用者の秘密を守る、全ての検閲に反対するという宣言がございます。これは戦前、公共図書館が政府の下請機関として思想善導などを行う一方、図書館自身がこの4つに苦しめられてきたと、そういう経過の中でこの宣言があると。私、そういう意味では新県立図書館の建設に当たりまして、本来、図書館とは何かということが改めて間われているというふうに私は思います。図書館の原点に立ち戻って、住民主権あるいは住民自治という立場で図書館はどうあるベきかということについても議論を起こして、それにふさわしい図書館となるように私も私なりに全力を尽くしたいというふうに思って、この質問はこれで終わりたいというふうに思います。 次に、教員の労働時間の把握の問題についてお尋ねをしたいと思います。教員の過重労働、さまざま言われているとおりでございます。その要因の一つは部活動にあると私は思いますが、教員の熱意だけで済まされる問題ではないということがあると思います。例えばある教員の方からお話聞きましたら、金沢市近郊の中学校では部活のために土日朝5時に学校に集合して、教員の方がみずから車運転して能登に行って、7時に会場に着くということもあるそうなんですね。教員の労働時間の把握に関しては、教育長はいっも「管理職が現認しているんだ」と、こうおっしゃいます。ところがさきの部活動の例で、では管理職の方が一緒に朝5時に行って、朝5時に来たなと。帰ったのも何時だなという管理職が現認しているとは到底私思えないんです。それで、労働安全衛生法にあるとおりに教員の多忙化を解消するためにも、私改めてタイムカードなどで労働時間をしっかり把握するということが必要ではないかというふうに思いますので、ここは見解をお尋ねしておきたいと思います。◎田中新太郎教育長 文部科学省では教員の勤務時間につきまして、管理職の現認またはタイムカード、I Cカード等いずれかの方法で確認し、記録するよう求めております。本県では、県立学校におきましては管理職が現認いたしますとともに教員自身の申告により確認をし、その記録を3年間保存いたしております。例えば御指摘の管理職よりも先に教員が出勤する場合は、事前の届け出、事後の申告により把握をしております。また、市町におきましては同様に管理職が現認することで把握いたしますとともに、14の市町では教員自身が記録簿等ヘあわせて記載することでも確認をされているところでございます。◎佐藤正幸委員 そしたら、少しこれは確認なんですけれども、記録簿で教員みずからが記録をして届け出るというシステムになっているということでよろしい······。◎田中新太郎教育長 14の市町です。◎佐藤正幸委員14の市町ということですね。わかりました。私は、そういう労働者みずからの申告ももちろんあるんでしょうけれども、もっと客観的に労働時間を把握するということは、これは労働安全衛生法で教員の現場もそのことが求められることになったというふうに思っております。私は本当に教員の方の健康を守って、本当に教員の方々一人一人が子供たちに目を向けて、ゆとりを持って教育ができる現場になるよう、ぜひ教育委員会としても今後も努力していただきたいというふうに思います。では次に、介護職員の確保について質間移りたいというふうに思います。昨年の2015年3月に県として介護福祉人材確保養成基本計画というものがつくられて、この中でも「介護職員は、賃金水準が低いと思っている方や、休みがとりにくいと思っている方が多いことから、賃金水準を含めた職員の勤務環境の整備を進めることが重要」と指摘をしておりますが、介護職員の賃金水準、これはほかの産業と比較して低いというふうに言われておりますが、この辺の実態をまず県としてはどんなふうに認識されているのか、お尋ねしておきたいと思います。◎山本陽一健康福祉部長 国の賃金構造基本統計調査によりますと、本県の福祉施設に働く介護職員の黄金水準は平成27年6月分の所定内賃金が20万500円でございまして全産業の平均より約7万円低く、同様にホームヘルパーについては22万1,900円で全産業平均より約5万円低い状況にございます。◎佐藤正幸委員 全国平均では10万円という資料もあります。強調したいのは、この計画の中で「安いと思っている方がいる」とか、思っているんではなくて実際安いということなんだと思うんですね。それで、ある若者の話ですけれども、介護の仕事につきたいというふうに親に言ったら、親からそれだけはやめてくれというふうに言われたとか、あるいは結婚を機に退職をするとか、そして仕事がきつくて途中で仕事をやめるという例が後を絶たないと思うんですね。私せっかくこういう場与えられましたので、先日お聞きした時給850円の50代の女性の例を紹介したいと思います。この女性は、有料老人ホームで生活相談員として2年勤務。この2年間の間にたくさんの方がやめられていきました。現在も不足したままだけれども、募集しても人は来ない。調理職員の方がやめていらっしゃるみたいなので、この方、朝6時に出社して、県外の本社から来るレトルトの食品を盛りつけして出していると。日中は食事の介助をして、入浴の介助をする。そして、人手が足りない夕食の配膳をして家に着くのが8時だと。本来勤務時間中に業務の記録を書くということなんですけど、それができないため書類を持ち帰って自宅で作成をする。そしてまた翌朝6時出勤です。もっと条件のいいところに就職しようというふうに思っても、職員不足なのでやめると残された高齢者の皆さんがどうなるのかと思うとやめる決心がつかない。こういう現状で今県内の介護が支えられているということの実態を直視する必要が私はあると思います。だからこそ、国も処遇改善措置を行いましたけれども、現場はどうなっているかといったら定期昇給がある職場、この定期昇給がある職場は「これで少し改善しているんだから処遇改善した」と答える事業所もあるそうなんです。国の支援は現場まできちんと届いていない。この実態を踏まえた対応が必要だというふうに思います。我々は、介護報酬とは別枠で国費の直接投入で賃金引き上げをするという仕組みをっくりたいというふうに思ってますし、その立場から第一歩として野党共同でさきの国会では国費によって月1万円の賃上げ法案を提出したという経緯もございます。そこでお聞きしたいんですけど、県としてもさまざまな努力を行っていると思います。しかし、その努力が実際に介護職の増につながっているのかどうか、調査が必要ではないかというふうに私は思います。それで、県のプランは来年の平成29年まで職員の需要が2万人、だけどこのままの取り組みでは1万9,000人の供給にとどまって1,000人足りないというふうに推計しています。では実際に、今介護職員はどこまでふえているのか。また、来年、平成29年までに2万人までふやせる計画、見通しはあるのか、そこはどうなのか、お尋ねしておきたいというふうに思います。◎山本陽一健康福祉部長 介護職員数につきましては、平成24年に約1万6,100人であったものが国の調査をもとに県で推計をいたしましたところ、平成27年には1万8,200人程度と、3カ年で約2,100人の増となっております。このペースで推移すれば石川県長寿社会プラン2015に掲げた平成29年の2万人程度の介護職員の確保はおおむね達成できるのではないかと考えているところでございますけれども、今後は2025年の2万3,000人の介護職員の確保に向けまして幅広い方面からの参入促進と職員の定着促進に関係業界とともにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。◎佐藤正幸委員 ぜひ努力していただくと同時に、充足しているのかどうかということでの調査も必要ではないかと私は思います。それで、介護職員をふやすために全国の自治体ではさまざまな努力があって、その一つに家賃補助があるということをお聞きいたしました。例えば東京都では、民間の事業所に対して介護職員の宿舎の借り上げを支援し、住宅費負担を軽減することで介護職員の働きやすい職場環境を実現して介護人材の確保定着を図ると。宿舎1戸当たり月8万2,000円の助成をしているということだそうです。また、大阪の茨木市というところでも家賃の半額を助成する補助を行っているというふうにお聞きしました。私はこうした事例も参考にして、市町とも協力して介護職員への家賃補助、支援を行ってはどうかと思いますけれども、所見をお伺いしておきたいと思います。◎山本陽一健康福祉部長 東京都では、今御指摘のありましたように介護人材の確保定着を図りますために、本年度から介護事業者に対して介護職員宿舎の借り上げに必要な経費の一部を補助する事業を創設したことは承知をしております。そもそも介護人材の確保定着を図るためには、まずもって賃金水準の引き上げ等の処遇改善が必要というふうに考えておりまして、平成27年度の介護報酬改定において介護職員の賃金月額1万2,000円に相当する処遇改善加算の拡充が図られましたことから、県といたしましてはできる限り多くの事業所にこの加算を活用して処遇改善にしっかりと取り組んでいただくように実地指導や事業者説明会の場を捉えて周知に努めてきたところでございます。さらに、さきに閣議決定されました国の経済対策において、介護人材の処遇改善についてキャリアに応じて昇給する仕組みなどを構築した場合に賃金月額1万円相当を上乗せする措置を平成29年度から実施することが盛り込まれておりまして、現在国の社会保障審議会において議論がなされているところと承知しております。県といたしましては、今後とも国の動向を注視し、制度が固まり次第、事業者に周知を図り、賃金のさらなる引き上げによる処遇改善にっなげていただくようにしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。◎佐藤正幸委員 介護報酬とは別枠で直接の処遇改善が必要だというふうに私は思いますし、ぜひこれは人口が減っている自治体も、特に奥能登中心にして定住促進にもつながるものだと私思いますので、ぜひ積極的な検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、介護に関連して、いわゆる介護予防・日常生活支援総合事業、新総合事業についてお尋ねしたいと思います。既にこの4月から白山市、能美市、加賀市、小松市でこの事業が始まっております。いわゆる要支援1、2の方が介護給付から外されて、自治体が実施する地域支援事業というものに移行いたしました。決算特別委員会でこの問題質間したときに県は「現在のところ、大きな課題は発生しているとは聞いていない」と、こういう立場でございましたけれども、来年の4月からは例外なく全市町でこの事業が実施をされることになって本当に大丈夫かという不安を私は拭い切れないので質問したいと思います。この新総合事業というのは、予算の上限があるために各自治体は給付費の抑制が求められることになります。例えば県内のある市の例は、介護事業所の側からすると「今までの70%の単価でやってほしし刊と、こう自治体から言われるわけですね。そうすると、その市では70%ではできないと2つの事業所がこのサービスを提供することをやめました。すると、介護の担い手がいないのでおのずと民生委員の人が必死にボランティア集めやるわけですよね。国は「地域の多様な主体、人材を活用するんだ」と、こう言うんですけれども、こんな状態で来年から人口減少や高齢化の進む奥能登とかで本当にスムーズに制度が移行できるのか。また、顔なじみの人が利用している事業者からすれば70%の単価でもやらざるを得ないわけですよ、人情として。そうすると、事業所の運営が成り立つのかどうかという不安も拭えません。さらに、通所介護のサービスでは政府は「多様なサービス」と言うんですけど、その場所では食事とっている人もいれば食事とってない人もいる。お風呂入っている人もお風呂入れない人もいる。そうすると、かわいそうだということになって、事業者が無償で食事提供や入浴をしてもらうわけですね。加えて、入浴はお金取っていたけれども、それはやっぱりかわいそうだということで無料にしてあげる。事業所が全部かぶってしまうわけです。「大きな課題は発生しない」というふうに言いますけれども、こういう事例が出ております。そういう意味で、県としてはこうした解決すべき事例をどう認識、把握しているのか、お尋ねしておきたいというふうに思います。◎山本陽一健康福祉部長 要支援者を対象とした訪間介護と通所介護サービスにつきましては、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増加をしていく中、平成29年度までに介護保険の給付対象から市町が実施します地域支援事業に移行されることとされたところでございまして、県内では今御指摘のありました4市が本年3月1日に移行し、その他の15市町につきましては平成29年4月の移行を予定しているところでございます。県といたしましては、市町におけるこうした移行の動きを支援するため、市町の職員を対象に他県の先にそういった制度を導入している先進自治体の職員を講師に招いての研修会の開催でありますとか、市町事業ヘの移行に際し助言を行うアドバイザーの派遣を行うとともに、こうしたサービスは今後ボランティア等が担うことも想定されますことから、元気な高齢者のボランティア育成支援などにも取り組んできたところでございます。移行後の状況については、先行実施をした4市に改めて確認をしたところ、「現在のところ大きな問題は発生していなし刊という回答を得ているところでございますが、今後も引き続き各市町の実施状況を把握し、必要に応じて国に対して要望するなど、これらのサービスが適切に提供されるように市町とも連携しながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。◎佐藤正幸委員 国の狙いはひたすら国の介護給付を抑制する、ということにあって、こうしたもとでは市町はやはりそうした緩和サービスは導入しないというふうに頑張る市町もあるようです。ぜひ市町の取り組みを県としても応援してほしいですし、こういう改悪は中止すベきだという立場で国に要望してほしいと思って、次の質問に移りたいというふうに思います。次は、建物の解体改修に伴うアスベストの飛散拡散対策について、時間の許す範囲でお尋ねしたいと思いますが、国土交通省の2014年に作成したマニュアルによると、国内でアスベストが使用された可能性のある建物は民間建築物だけでも280万棟もあるというふうに推計しているようです。この推計に基づいて、まず県内ではどれぐらいの建築物がアスベストを使用しているとされているのか、またそれをデータベース化で公表すべきではないかと私は思うんですが、そこはいかがでしようか。◎盛谷明弘土木部長 国では、アスベストを使用している可能性のある民間建築物は約280万棟あるとしておりますが、これはアスベストを含有した建材が多く流通した時期に建築された非木造の民間建築物の総数を建築着工統計に基づき推計したものでありまして、個々の建築物でのアスベスト使用の有無を調査したものではないため、各県ごとのアスベストを使用した建築物のデータは存在していない状況でございます。◎佐藤正幸委員 単純計算で100分の1ということでいえば2万棟から3万棟というふうになると思うんですね。それで、なぜこの質問をしたかといいますと、、この解体の工事は届け出制。解体するとアスベストが飛散する。そのための対応にお金がかかるために無届けのまま解体をするという状況があるようなんですね。一定の解体のときに国の補助もあるようですけれども、非常に極めて少ない。だから私は、ここは県としてアスベストの建築物を解体するときの解体の費用を支援するということが必要ではないかということを、恐らく最後になると思いますけど、お尋ねしておきたいというふうに思います。◎盛谷明弘土木部長 県では環境保全のための資金の融資制度におきまして、アスベスト除去工事も対象としておりますことから、県として補助制度を創設する予定はありませんが、県内市町から補助制度創設の相談がありましたら必要な予算を国に要望してまいりたいと考えております。◎佐藤正幸委員 ぜひ具体化していただきたいと思います。時間が来ましたので終わります。