カテゴリ:アート
上野の東京都美術館80周年記念祭のコンサート、
この日は11時から、友人が琵琶の演奏で出演するので聴きに行った。 東京都美術館は何度も行ってるけど、講堂に入るのは初めて。わくわく。 かみて側の一番前に座ってみた。 座席には、講演会や勉強会などに対応できるようにだろう、 小さい折りたたみのテーブルがついていて、 開演前までの手持ち無沙汰なときに、それをぱたんぱたんと 出したりしまったりしていると、 学生時代を思い出して懐かしさでいっぱいになった。 コンサートが始まった。 春らしい若草色の着物を着た友人は、琵琶と語りで 「祇園精舎」や「壇ノ浦の戦い」などおなじみの題材を演じた。 あいかわらず琵琶の多彩な鳴らし方は興味深いし、彼女の声もいい。 共演の琴の奏者は白い着物を着て登場し、「さくらさくら」や現代曲などを演奏、 最後に2人で「花嫁人形」「川の流れのように」の2曲を合奏した。 途中、琴のチューニングがうまくいっておらず、 本番中にチューニングをやり直すというハプニングがあったものの、 (ちょっとびっくりした) 会場は中高年の方が多かったためか、落ち着いて演奏に聴き入り、 ときにはメロディにあわせて小さく口ずさむ声も聞こえたりして 和やかな雰囲気だった。 合奏のときには、同じ伝統的な日本の弦楽器でも、 こんなにも音のニュアンスが違うものか、と改めて感じた。 琴と琵琶はあまり合奏には向かないかもしれない。 その違いを実感する面白い機会であったとも言えるけれど。 一緒に演奏すると、琴はあくまでも長調的、メジャーな音質、 そして琵琶はどこまでも単調的、マイナーな音だということが浮き彫りになる。 琵琶には感情のふるえがある。 琴は光とか、水、というような清色の音色なのだ。 「川の流れのように」では少しそういった音質の違いからか、 親しみ深い曲であるにも関わらず、なんとなく入りにくい感じがしてしまったが 2番になると琵琶奏者の友人が演奏とともに歌い始め、 会場の雰囲気が変わったのを感じた。 潤いのあるいい声にお客さんが聴き入っただけでなく、 もしかしたら、彼女の声が 2つの異なる弦楽器のクッションの役目を果たしたのかもしれない。 演奏が終わると、長く長く拍手を送った。 彼女たちは日々、音の研鑽を積み、精進を重ねている、 日本の千年もの伝統の音色を引き継ぎながら。 そのこと自体が素晴らしいし、より活躍して欲しいなと思った。 コンサート終了後、思ったほどは混雑してないようなので、 午後から東京都美術館で開催中の「プラド美術館展」を見た。 その記事はまたアップします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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