テーマ:夢を叶える人になる(1190)
カテゴリ:デザインや個人的な仕事
演劇学校の同期で、今は劇団員として舞台や声優で活躍しているSちゃんから、 舞台のちらしデザインの依頼を受け、引き受けた。 実験的な無料公演なので、ギャラは出ないけど、 とても内容的に興味ある作品だし、難しい作品を舞台に上げようという Sちゃんの熱意や心意気に共感した。 7月16日(水) 昨夜は会社から出ると、目の焦点が定まらずぼーっとするほど疲れ、 夕食のときも寝てしまいそうなほどだったのに、 夕食後、11時頃からちらしデザインに取り組み、気づくと朝4時になっていた。 これまでお昼休みや通勤電車の中でアイディアを考えていて タイトルのフォントもいくつか候補を上げていたのを、 実際Illustratorで組み上げていく作業をした。 タイトルロゴのフォントを決め、アレンジし、 ラインを引き、テキストを打ち込み、地図やダミーの画像を貼り込み、レイアウトを整える。 ここでいったんこれまで描きこんでいったラインを捨て、 再度シンプルなところに戻ってレイアウトを練り直す。 オブジェクトの位置を数ピクセル動かすとか、ラインを1ピクセル細くするとか、 細かいけれど気になるところを何度も何度も練り直してブラッシュアップする。 少しずつ進退を繰り返しつつ、すっきりしたレイアウトにしていく。 久々に夜明けまでデザインの仕事をし、夢中で作業をし、爽快感があった。 ボランティアとは言え、興味深い内容の舞台の ちらしデザインに打ち込めるのは、嬉しいことだ。 仕事だけど遊び。遊びだけど仕事。 7月18日(金) 戦闘開始!へろへろ疲れてる場合じゃない。 昨夜はモデルとなるHちゃんの写真を撮った。 その写真を加工して原稿に配置したら、ずいぶん雰囲気が出て、 あらためてあちこち直すべきところが出てきた。 今夜、それをやる予定。 そして依頼主のSちゃんと、データの受け渡しについてや、 細かい情報や条件の確認をしつつ電話でいろいろ話した。 芝居に打ち込むSちゃんと話すことによって、改めて刺激を受けた。 どんな反応、評価が来るだろうか、そんな不安もわいてくるけど・・ 集中して、ただいいものを創るだけ。 自分の力を出し切るだけ。 手を抜かないでやれるところまでやるだけ。 7月19日(土) ちらしデザインは煮詰まってしまった。 ブラッシュアップを突き進めていくと、だんだん面白みのないもの、 大人しいものになってしまう。 今回は無料公演のため、簡易なコピー印刷になるので、 その条件の縛りも多少はあるかもしれない。 ポイントとなるモノクロ写真と印象的なキャッチコピー、 ゆがんだタイトルロゴと象徴的なたくさんのライン、 それらが1枚の紙面の中でなかなか納得いくように1つにならない。 数日前から続いていた頭痛がさらにひどくなり、気持ちも沈んでしまった。 Sちゃんと話をして、本当にいいものを創ろう!とさらに強く思ったのに。 泣けてきた。 Hちゃんに「そのデザインを見すぎたんだよ」と言われたのをきっかけに 時間的にあまり余裕はなかったけれど、 今日はいったん、デザインから離れることにした。 午前中は家でのんびりし、午後は広春先生の個展を見に銀座へ出かけたりした。 7月20日(日) すっかりリフレッシュして、あらためてデザインを冷静に眺める。 そして、私なりにはイメージと象徴をこめたオブジェクトやラインたちを 思い切ってすべて捨て去った。 センターに置きたかったキャッチコピーは脇に寄せ、 モノクロ写真をセンターに置いて、写真のインパクトに委ねてみることにした。 力強い、目。 これに賭けてみる。 こうして非常にシンプルなちらしデザインが出来上がった。 7月21日(月) 本当は昨日で締め切りだったが、ぎりぎり稽古始め当日の今日、 夕方Sちゃんと待ち合わせて手渡しすることにし、 いったん出来上がった原稿を、午前中また手直しした。 小さな文字用に使っていたフォントをやめ、よりシンプルなフォントに変えた。 使いたいフォントより、コピーによるつぶれにくさのほうを重視した。 恵比寿でSaitoさんのセッションを受けた後、 夕方池袋駅でSちゃんと待ち合わせて原稿を手渡しした。 後は演出家や出演者の判断にゆだねるのみ。 どっと疲れが出た。 7月22日(火) 夜中に依頼主のSちゃんから電話があって起きた。 一瞬不安になったが、ちらしデザインは演出家(イギリス人だったかな?)が 気に入って下さったとのこと、ほっとした。 写真が「Beautiful!」「目の力が強い」とほめられたらしくて、嬉しかった。 上演時間の変更があり、それだけ訂正して郵送することになった。 はあああ~~、心配してたけどOKが出てよかったーー! ほっとして気が抜け、合わせて10時間くらいこんこんと眠った。 いつもながら、自分のセンスの無さに打ちのめされたりしながらの デザイン作業だったが、とりあえず無料公演用のコピーちらしとは言え、 自分のイメージし、創ったものが数百の人の目に触れるのは 嬉しく、わくわくすることだ。 芝居からは足を洗ったけれど、こうしてデザインで 関わらせてもらえるのは幸せなことだな。 今回感じたこと、考えたこと、指摘されたこと、気づいたこと、 それらをまた次回生かしていければいいなと思う。 そして、今回の実験的な小さな公演も、 認められれば劇団の有料公演として採用される可能性もあり、 Sちゃんの目標はそこにある。 それが実現すればいいなと切に願う。8月の公演が楽しみだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.03 22:55:53
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