カテゴリ:【ディズニーシー】or【・・・シー+α】
(・・その1から続く)
ケープコッド・クックオフの新ショー「マイ・フレンド・ダッフィー」は、オフィシャルHPの記述によれば、 《 ――ダッフィーの誕生から冒険の旅に出るまでのお話がミッキーやミニーと一緒にたのしい歌やダンスで紹介されます―― 》 とのことですが、かなり大まかに乱暴に言ってしまえばこの一言でほぼ足りるのかもなー といった感じでした。 ショーのスタイルは、以前のショー(ドナルドのボートビルダー)が殆どセリフ無しで進行していったのと比べるとまったく違う形で、テーマもストーリーもシンプルながらもちゃんとあり、セリフの殆どが音楽にのって歌われる という、しっかりとした二本立ての「ミュージカルショー」形式になっていました。 会場の「ケープコッド・クックオフ」は一応「レストラン」なのでショーエリアへ入場するためには飲食物を購入するのが条件になりますが、このショーをちゃんと観ようとすると「飲み食いする」という行為は(今のような滞在時間制限下では)かえってショー鑑賞の妨げになってしまうかも・・・と思いましたよ。 (私達は今回 運よく開演後第一巡目のグループとして会場に入れたので、席についてからショーが始まるまでの間に15分以上の時間があり、ショー開演前に食事を終えることができてショー鑑賞に集中することができましたが。) さて、そしてその二本の小さなミュージカルショーの内容ですが。 一本目は「ダッフィー誕生編」ともいえる内容で、こちらのお話の主役は人気者ダッフィーではなく完全に「ミニーマウス」のように私には思われました。 数分の合間をおいて上演される二本目の方は「冒険への旅立ち編」といった趣で、一本目のお話でミニーの愛によって生命を得て自由に動き始めたぬいぐるみのクマは、既に「ぼくダッフィー」と名乗り洋服も身につけた姿で ミッキーの仲間の一人として登場してきます。 いずれも仕上がりはきわめて真っ当な、文句のつけどころのない「正しい」内容で、簡単に取ってつけたようでありながら、実は考えつくされたお話の運びになっていたように思います。 ここ数年のダッフィー人気は凄まじいものがあり、いまやディズニーシーにとって無視なんてとてもできなくなってしまったその存在を正面きって正当化するためには(ダッフィーを好ましく思わない人にも納得してもらうためには)、こういったきちんとした背景付けが必要だったのかもしれません。 そういった意味では、このショーの出来は大成功の部類にいれていいのではないでしょうか。 現在の私自身は 正直に言うとダッフィーについては特に強い思い入れは無いのですが、もしもディズニーシーのケープコッドにまず最初にこのステージショーが存在していて、その後じわじわと「ダッフィーブーム」が起こって現在のような状況に至っていたとしたら、さすがのこの私ですらもダッフィーやシェリーメイの一体や二体 購入して家に置いていたかもしれないな~ と、ちらっと思ってしまうような内容でしたよ。 また、このショーには 子供向けだから と大人にそっぽを向かれてしまうには惜しいところもいくつもあるように私は思います。 特に ミニーマウスが主役の「誕生編」は、誰かを愛し思いやるとはこういうこと という、言葉にしたら恥ずかしくてたまらないようなテーマを上手に扱っていて、期待せずにショーを観ていた私はそのストレートなメッセージにかなり心を揺さぶられました。 これから航海に出るパートナー「ミッキーマウス」のために、「行かないで!」とすがることもすねることもせずに ただ「無事でいてほしい」と思いをこめてお供の「ぬいぐるみ」をひたすら縫い続ける・・ ここではミニーマウスはとても古いタイプの、世の男性にとって理想的な女の子の典型として描かれているようにも思われますが、やはり 愛する人を思いやる心の尊さは洋の東西を問わず時代を超えて不変であることには誰も異論がないでしょう。 ミニーマウスがミッキーへの手紙を小瓶に入れ、 「 寂しいとき これを見て 小さな愛があなたを照らす わたしの心が ここにあるの 思い出してほしい 暗い海の上を渡るとき 高い山を登るときにも わたしの心は ここにあるのよ 思い出してほしい ・・夜空の星より 月より あなたを照らすの・・ 」 と 切々と歌い上げる(聞き取っただけなので歌詞は違うかもしれませんが)場面は、人を愛した経験のある方なら誰もが自分の身にその思いを重ねて 心の中でそっと涙することでしょう。 (私にはよくわかりませんが、こんなにも素直に純粋にミニーがミッキーへの思いを吐露している場面のあるレギュラーショーというのも、TDR中を探し回ってもそうそう無いのではないでしょうか。) さらにもうひとつ付け加えれば、「旅立ち編」の方には 未知の世界への畏れを抱きつつ独りで歩みだしていかねばならないダッフィーを「きみは一人じゃない。仲間がいるんだ。きっと大丈夫。」と他のキャラクター達がそろって励ます場面が盛り込まれており、こちらも「人間は誰かの支えがあってこそ自立できるのだ」という人生の真理がわかりやすく語られていて、年齢や立場の違う幅広い層に訴えかけることのできる要素がじゅうぶんにあるように思われました。 総じて、そのテーマと内容のストレートさと正しさは クリスマスの一時期に同じケープコッド内の屋外ステージで上演された「リトル・クリスマス・ストーリー」に通じるようなところがあり(「みんなの優しさでクリスマスツリーの灯りが輝いた」のと「愛の力でダッフィーに魂が入って動き出す」というのはお話の形として同じ種類のような気がします)、この場所でこのお話が語られるのにも大きな違和感は無いのかな~ というのが私のとりあえずの感想です。 開店を待ってケープコッド・クックオフの前に並んでいた時、「マイ・フレンド・ダッフィー」のショーを観る前には、「今日のこの機会に一回観ておけばもう当分観に来なくてもいいかな~」なんて私は思っていたのですが、観終わってみると意外にも収穫が多かったような気がして、嬉しい限りでした。 入場の待ち時間が長くなっていないような日があれば、近いうちにぜひもう一度観に来たいと思いましたよ。 (その3 に つづく・・・) ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については「東京ディズニーリゾート」の公式サイトをあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。 また、「東京ディズニーシー」内の固有名詞については、公式サイト内の こちら から検索することもできます。 利用なさってみてください。 ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2010 01:32:18 AM
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