1月13日 土曜日
ツメモノとれよといわんばかりにキャラメルを食いまくる。
グリコアーモンドキャラメルが一番。
風味絶佳でお馴染み森永ミルクキャラメルもフツーにおいしい。
そーいえばフタ昔も前の話、豊前市名物・八屋祇園の際、射的の露店で流通していたのが「ゼリコ」という名のバッタモン……じゃなくてジェネリック・キャラメルである。
名前だけ聞くと何やらゼリー状の菓子なのかと思われがちだが、実は恐ろしく固い芯のある小粒のキャラメルなのだ。
これが箱入りで射的のマトになっているのだが、撃ち落としたからって喜んで食ってるようじゃ野暮なのだ。
これ、未開封で5個集めると、小さな陶器の人形と交換してもらえる。もちろん、陶器といってもほぼドロ人形のような粗末な代物なのだが、この人形をさらに3個集めるとなんとウイスキーの小瓶に換えてもらえるという、実にいかがわしい外見通りのダークなゴールが用意されているのだ。
しかも長いことネバると、店のババアが「ゼリコ10個で即ウイスキーと交換」という、さっき思いついたかのような新ルールをハナタレ博徒どもに提示してくるのだ。
まさに香具師のヤリクチ。
マトにはウイスキー自体も立っているので、豪傑は一発ゲットの勝負に挑むのだが、コルクの弾が跳ね返されるのが関の山である。
ウイスキー狙いの堅実な連中は、地道にゼリコ10個獲得に専念することになる。
そんな少年達が指をくわえて眺める先を、射的のババアはちゃんと知っている。
花札の柄が入ったジッポーライター。
「はい、ゼリコ50個でライターと交換だよ」……
NO ゼリコ, NO LIFE.
甘酸っぱい思い出は酒で呑みくだして、とっとと寝る。