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浦沢直樹「MONSTER (1)~(18)」
全18巻。 ビッグコミックオリジナルに1994年から2001年にかけて連載された。第1巻の初版第1刷は1995年8月で、最終第18巻の初版第1刷は2002年4月。 「20世紀少年」の前作にあたる。両者は構造もテーマも演出方法もよく似ており、二作で対をなしているように見える。作者がサスペンスを描くとこうなるだけなのかもしれないが。 やや引っ張り過ぎの感があるのまで似ているのは、いただけない。両作品とも10巻程度で収めるのが適正な長さだろう。それでも、傑作の部類に属することは否めない。さながら良質の長編映画を観ているような感覚を味わえる。 主人公の名前がドクター・テンマで、テンマを助ける精神科医は、見るからにお茶の水博士。作者は手塚の影響を隠そうともせず、これは後の「PLUTO」に繋がる。 以下、ネタバレあり。 怪物を生んだ真の原因が、母親が双子のどちらかを差し出さないといけない場面で、迷いながらも結局一方を選んだことであるのは、賛否両論あるだろう。これだけ時間をかけて、ドイツとチェコを股にかけてこれだけ騒動を繰り広げて、大元はそんなことかと肩透かしを食らわされる思いに駆られる人が多いであろうことは十分予想される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/01/06 06:05:49 PM
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