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カテゴリ:活字
長崎尚志「パイルドライバー」
2016年9月初版。KADOKAWA。書き下ろし。 著者は、元は小学館の漫画誌編集者で、退社後は漫画原作者として浦沢直樹とコンビを組むことが多かったらしい。確かに、本作も「MASTERキートン」や「MONSTER」と雰囲気が似ている。 漫画原作者だけに、読者を飽きさせない術を心得ているようで、中盤までは巻擱く能わず。出色の警察小説となっている。 しかし、終盤の謎解きに入ってからは、突然、国際的な陰謀話になって、少々失速気味。 以下、ネタバレあり。 15年の時を隔てて起こった、そっくりな一家三人惨殺事件。旧事件は被害者を一人消滅させ、新事件は加害者を一人消滅させている。これは斬新。 ただし、旧事件の犯人が、そこまで影も形もなく、終盤になって突然現れるのはいただけない。ミステリーとしてやってはいけないことのひとつ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/10/08 11:40:36 PM
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