三浦建太郎「ベルセルク (1)~(14)」
現段階で全37巻。白泉社ジェッツ・コミックス。1989年から「月刊アニマルハウス」(後に「ヤングアニマル」)で連載。現在も不定期で同誌に発表されているらしい。中世欧州を舞台にした歴史絵巻と思っていたら、ヒロイック・ファンタジーの一種であった。ヒロイック・ファンタジーであるからには、当然ハワードの影響大。異次元の設定や怪物の造形にはラブクラフトの影響を見て取れる。そして、最も近いのは、それらの影響下で著された「七人の魔道師」(グイン・サーガ外伝)であり、「朔」の会合などに顕著。三浦と栗本の共通項としては少女漫画もあって、グリフィスとアルド・ナリスのキャラ設定にもそれはよく表れている。14巻の巻末には、三浦が大学生の頃に描いたプロトタイプが収録されている。