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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.02.03
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~沖縄本島東海岸を走る その1~

  
     <安須森御嶽から辺戸岬を見下ろす>

 平成21年11月某日。私は辺戸岬に立っていた。ここへ来たのは5回目。そしてこれが最後になるはずだ。「沖縄本島単独1周ラン」の2回目。今回はここをスタートして本島東海岸を走り抜け、2日間で南部の与那原町までの150kmを走る予定。1回目は7月の猛暑に苦しめられたが、今回はアップダウンと集落の少なさに苦しむはず。この日のゴールは75km先のカヌチャベイホテルと決めていた。

 奥小学校  

 8時25分。ここまで送ってくれたMさんに手を振ってスタート。だが5分ほどで立ち止まった。ランニングシャツでは寒過ぎた。岬の強風で体が冷えるのだ。急いで半袖シャツに着替えてリスタート。坂を下って奥集落へと向かう。国道でハブが車に轢かれて死んでいた。11月でもまだハブは冬眠してないようだ。これは注意せねば。気を引き締めて奥集落を通過。ここから先は県道70号線だ。

  
  <ルート 奥集落から東村までは県道70号線を南下>

 やんばるの東海岸は傾斜がきつい上に集落がほとんどない。このためよほど足に自信がないと走るのは無理。今回リュックには、名前、住所、電話、連絡先、血液型を書いた札を付けていた。もしもの場合に備えてのもの。だがハブに噛まれたら一巻の終わり。そのための連絡先でもあった。名護の辺野古を過ぎたら後はほぼ平坦だが、1日目の坂道が厳しいはず。

 やんばるの森  

 7kmほどでランナーが前から走って来た。これは珍しい。話を聞くと沖縄のランナーで、奥さんに車で送ってもらい、1回あたり5kmから10kmを走って本島一周を目指している由。回数は50回目近いとのこと。私が辺戸から与那原まで150km走ると言うと、ビックリした顔。ウルトラマラソンの経験がないと驚くのが普通だが、こちらは冒険の積りなのだ。

    県道70号線

 あれはどの辺りだったか、何やら忙しそうに働いている人がいた。何せここでは人に会うのが珍しいほど集落が離れている。話を聞くと「マングース捕獲用の檻」を設置している由。飛べない鳥、天然記念物のヤンバルクイナを食い殺す犯人だ。本来はハブ退治のため導入されたのだが、目論見が外れたのだ。それに今は野良猫や野良犬もヤンバルクイナの敵。都会の人が犬や猫を捨てに来るとも聞く。身勝手なものだ。

       

 道端に何かの実。傍にフクギの樹があった。沖縄ではどこでも見かける樹。ミカンのようなきれいな実なのだが、枯れて茶色だった。沖縄の染色紅型(びんがた)の鮮やかな黄色い色を出すのに用いられる。楚洲(そす)で休憩し、飲み物を買う。ここは5戸ほどしかない最小の集落。走り出してから「しまった」と思った。那覇の平和通りのオバーが楚洲出身だと思い出したのだが後の祭り。う~む残念。

  

 安波(あは)集落は国頭村の東海岸では割と大きな集落で、500戸ほど家があると言う。小さくてきれいな小川が流れていた。ピンク色のきれいな花が、そちこちで咲いている。どうやら酔芙蓉(スイフヨウ」のようだが、本土の種類とは少し違うみたい。そこからは長い上り坂になった。今日のコース中最も厳しい坂道。それが曲がりくねりながらどこまでも続く。

           

 山道を登り切ったところが東村との境界。そこから下りが始まる。しばらく行くと「ヘリポート建設反対」の立て看板。「ははあ、ここがあの現場か」。そう思って山の中へ入って行った。するとテントが2張り。1つは無人だがもう1つには人がいて、私をジロっと睨んだ。これはナイチャー(内地人)だと分かったのだろう。それにしてもなぜナイチャーがここへ?その目はそう疑っていた。

    高江共同店

 さらに下ると売店が見えた。写真の一番右が休憩所だが、私はそこで遅い昼食を取った。お握りは早朝名護市で買っていた。自販機が少ないことも考え、飲み物も何本かはリュックに入れてある。他の荷物は既に今夜泊る予定のホテルに送付済み。後は自分の足が最後まで持つことを信じよう。昼食で休んでいる間に寒くなった。走っている間は暖かいが、止まれば汗が冷えて寒くなるのがランニングだ。<続く>





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Last updated  2019.02.03 00:00:25
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