国見岳登山記4
(日曜日からの続きです)トレースは林の中へ続いている。林と言っても、ブナとかナラのような大きな木ではなく、藪に毛が生えた程度の小さな木ばかり。背が低い上に1mを越えるような積雪。どこが登山道だか不明確な道を、トレースを追って登っていくが、枝が邪魔でしょうがない。大きなスノーシューも邪魔だ。時折現れる急な斜面では、初めのウチは四苦八苦した。スノーシューはデッキで雪の上に浮かぶ訳だからフラットフットが基本だろうと思っていたのだが、急な斜面でフラットフットは無理だ。もちろんかかとが固定されていないスノーシューなのでデッキを雪面にフラットに置いて、かかとを持ち上げた姿勢にする(それをサポートするためのヒールリフタもついている)ことも可能だが、雪が柔らかいと雪の上でスノーシューが滑ってしまう。デッキの裏面にある滑り止めのリブやつま先のツメが雪を掴んだまま、表層雪崩のように滑り落ちてしまう。幾度か失敗した後、つま先のツメをキックステップの要領で雪面に蹴り込めば滑りにくいコトを覚えた。フラットフッティングではツメが刺さる深さが足りなかったようだ。それを覚えてからは順調に登れた。標高1150m付近まで登ってくると林から抜ける。振り返るとロープウェイ山上公園駅近くの気象観測所のドームが見える。唯一高度感を感じる場所だ。登りで運動量が増えて暑くなってきたので小休止。ジャケットのファスナーを開けると、身体から出た水蒸気が結露して内側はかなり濡れていた。寒さを恐れていっぱい着込んできたのが失敗だったようだ。今更脱いでも手遅れだと考え、そのままにするが、マジメな冬山登山だったら致命的なミスだったかも知れない。とりあえずジャケットのファスナーは少し開けて、換気を良くする。登りにくい段差を越えるともう山頂は間近。もう殆ど登りはない。再び林の中に入り、石門はどこだっけ? と考えていると山頂に到着した。登頂は11時過ぎ。出発した正確な時間は把握していなかったが、考えていた以上に時間が掛かった。ポーズを取っているのがT谷、カメラを構えているのがO栗。天気はこんな感じで、いまひとつという状況。