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照明製品の細分化した市場の中で、LED照明が一般照明に先駆けて先行的に使われているのは、商業用の装飾照明の領域である。電球や蛍光灯などの量産品と比べると、LEDは既存の照明に比べ、色の品質・バラツキ、製品価格面などではまだ劣っているが、寿命が長く、省エネルギーの点光源であり、赤外線を発さず、調光・光学設計が容易で複雑な制御が可能であるといったメリットがある。そうした点が評価され、商業用の装飾照明で利用が始まっており、市場は急速に成長している。コンビニエンスストアや外食産業では、2010年春にスタートした改正省エネ法施行の対策としてLED照明をテスト的に導入する動きが活発である。
この改正省エネ法の内容は、これまで一定規模(第一種;原油換算3,000kl/年、第2種;原油換算1,500kl/年)以上の「大規模工場」「事業場」に対してのみエネルギー管理の義務を課していたが、これを企業単位(工場、事業場、営業所等のエネルギーの総和)に対して年間のエネルギー使用量(原油換算1,500kl/年以上)の企業には、国にエネルギー使用量の届出と特定事業者の指定を受ける義務を課した点である。これによってこれまで法律にカバーされなかったコンビニエンスストア等のフランチャイズチェーンのフランチャイズ契約事業者(加盟店)や小規模事業者も同法への対応が必要になる。不対応や虚偽の申告には罰則(50万円以下)が課される。このエネルギー消費規模はコンビニエンスストアの場合、20件程のチェ-ン店でもほとんどが同法にカバーされることになる。 これらエネルギー使用量の測定は平成21年4月から1年間であり、その結果と中長期計画を平成22年4月から国に届出をすることで対象事業者になる。対象事業者は、「定期報告書」「中長期計画書」の提出が義務づけられ、年間削減目標(現状1%)に向けた取組みが努力義務となる。コンビニエンスストアのエネルギー消費の主体は照明、エアコン、冷凍・冷蔵庫、冷蔵ケース等であり、今後、大幅な省エネルギー効果を期待できるLED照明機器が、同法対応に注目されることになる。LED照明機器の初期投資のために、都道府県から交付される各種補助金もこの動きを加速している。 商業用の屋内照明は日本の照明機器全体市場の30%を占め、さらに商業用屋外照明も3%を占めている。これらの屋内照明や屋外照明では白熱電球やハロゲン電球などの発光効率の低い電球が使われており、また使用時間も長時間であることが多い。このために、長期的な投資効果の観点から、LED照明に徐々に置き換わりつつある。LED照明の演色性が向上したり、調光機能が一般的になれば、さらに普及が加速するであろう。 100Wの白熱電球に代わるLED電球が2009年から東芝ライテックなどから発売され、まだ価格は約6000円と高いが、LED電球が本格的に使用できる環境になりつつある。東芝ライテックのLED電球では、複数のLEDが一枚の蛍光板を光らせて白色を得る新しい板状の光源モジュールを搭載するなど、フィリップスやXICATO社のモジュールような色の再現性が得易い新技術を採用している。 白熱電球・PARランプ交換用のLED電球は白熱電球60Wタイプがまず家庭用から普及しているが、今後は商業用に普及が移行し、その国内市場規模は2009年が50億円、2010年が180億円、2013年は600億円と予想する。また、2015年以降の市場規模はLED電球単価の下落とともに徐々に縮小してゆくと考える。 ハロゲンライト交換用のLEDライトも単価の下落とともに普及が進む。現在は数千円であるが、3000円を切る価格になり、演色性が向上したり、調光機能が備わると商業用で普及が進む。その国内市場規模は2009年が10億円、2010年が25億円、2013年は200億円と予想する。2015年以降は、LED電球と同様に市場規模も減少すると考える。 商業用の屋内照明には、ダウンライト、スポットライトも大きな比率を占める。LEDダウンライトはパナソニック電工や東芝ライテックなのどの大手企業が主に製造しており、市場のシェアも高い。また、市場の拡大に伴って価格の下落のスピードも速い。人感センサのはたらきにより、人が居ない場合や消し忘れの際には、自動で消灯する機能なども付いたタイプもある。 LEDダウンライトの国内市場規模は2009年が50億円、2010年が80億円、2013年は400億円、2015年は1000億円と予想する。LEDスポットライトの国内市場規模は2009年が25億円、2010年が70億円、2013年は200億円、2015年は700億円と予想する。 商業用の屋外照明では、広告看板の照明やバックライトがある。看板のバックライトは室内用も現在は蛍光灯がほとんどであるが、徐々にLEDに変わりつつある。LEDを用いるメリットは照明用の電力が数分の1以下に下がるだけでは無く、看板が薄型にできるので、その製作コストが半分程度に下がることである。このため、LED照明技術の普及に伴って、LEDバックライト方式の広告看板、表示ボードが増大することが予想される。 看板用のLEDバックライトのの国内市場規模は2009年が10億円、2010年が45億円、2013年は300億円と予想する。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆大量な特許データから、解析マップにより企業戦略も明らかになる! 「LED照明製品とその製品開発・製品戦略の現状と予測2009」 レポートの詳細な内容とお申し込み ⇒ http://gncnet.jp/pub/led..html◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆LED照明産業を製品市場別・企業別にブレークダウン! 「世界LED照明産業年鑑2010」 レポートの詳細な内容とお申し込み ⇒ http://gncnet.jp/pub/wledl2009.html◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆世界の有機EL照明産業を地域別にブレークダウン! 「有機EL照明産業年鑑2009」 レポートの詳細な内容とお申し込み ⇒ http://gncnet.jp/pub/yuuki_el.html◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/05/07 06:49:11 AM
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