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鳩夫婦の会話
鳩夫「 もう諦めよう、仕方無いよ、凶暴なオバさんが怖い顔で睨んでるじゃないか。」 鳩妻「 なにを言うのあなた、あれほど巣作りに最適な場所はないじゃないの。」 「 それはそうだけどね、さっき僕たちは箒で叩かれそうになったじゃないか、あの鬼のような オバさんは僕たちの赤ちゃんも取って食べてしまうかもしれないよ、ほらまだ睨んでるよ。」 「 あなたなんにも分かってないのね、あの人は私が飛び出した時にウワって声上げたのよ、 見かけが怖いだけでかなりのビビリよ、その後肩に触れた洗濯物にも驚いてたじゃない、 あれは多分小動物が苦手なのよ、子供の頃はペット飼わせてもらえなかったのね。」 「 でも箒を振り回しているよ、近づくだけで危ないじゃないか。」 「 人間の中でもかなり頭が悪い方ね、ベランダで箒振り回したり大声出したりして恥ずかしく ないのかしら。」 「 諦めるしかないよあんなオバさんが居たんじゃね、隣は猫飼ってるし、上の階は犬 飼ってるし、下の階は目隠しになる物が何もない、この建物に巣作りは無理だよ。」 「 あなたそんな弱気でどうするの、見なさいよあの人掃除始めたわ、私達がちょっとバタバタ しただけで汚れた気がしてるのよ、バイ菌が怖いのね、糞を2・3個落としてやれば気持ち 悪くて近寄ることも出来なくなるはずよ、ほらほら物置の下を離れたとこから覗いてる、 卵産んでたらどうしようと思ってるのよ、何かいるかもしれないと思うだけで怖いのよ、 一個でも産んでしまえばこっちのものでしょ。」 「 くたびれた感じの親父が帰ってきたよ、物置の下に顔突っ込んで見てるよ。」 「 虫が這い出してくるかもしれないところに顔突っ込めるなんて都会には珍しいタイプね、 きっと田舎者だわ、子供の頃には肥溜めに落ちたこともあるはずよ、あっちの方が強敵ね。」 「 人間界は不景気だから残業も飲みも無くて帰りが早いんだね。そろそろ暗くなってきたよ、 僕達は寝床を探そう。」 「 そうね、また明日来てみましょう。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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