テーマ:謎を解く(186)
カテゴリ:謎を解く
「トランプを混ぜ合わせることをシャッフルという」
「突然何ですか」 「両手に分けて混ぜ合わせるのをダブル・シャッフルというのじゃが、こうじゃ」 「……大家さん、なかなか上手ですね」 「しかし、プラスチックトランプよりも、本当のカジノ用紙トランプでやった方がもっとうまく行く。練習すると完璧に1枚おきに混ぜ合わせることが出来るのじゃ」 「完璧にやる意味があるんですか」 「ジョーカーをのぞいた52枚で完璧にやると、何とたった8回で元の状態に戻るのじゃ」 「え……たった8回」 「そう。だから、最初に並べておいて、8回もシャッフルしたのだからって……手品やイカサマに使える」 「すごいですね」 「そこで今回の謎は、これが52枚でなかったらどうなるか……」 「大家さん、すごい……」 「すごい発想じゃろう」 「すごい暇人ですね」 「あらら……まあ、いいか。とにかく、はっきりしているのは、一番上と一番下は絶対に変わらない」 「ああ、そうですね。右手と左手をどちらを上にするかで結果が滅茶苦茶になりますね」 「一番上が動かない場合、二枚目のカードの場合は一枚上に入ってくるから三枚目に移動する」 「ふむふむ……」 「この移動を考えると、二枚目にあったカードは3、5、9……つまり、上半分のn番目にあったカードはn+(n-1)、つまり2n-1枚目に移動する。一方、下半分の場合はm番目のカードが2m番目に移動する」 「だんだん数学的になってきたな」 「これではっきり出たのは、途中でたまたま同じ場所に戻ってくるということはあり得ない。だから、どんなに多い場合でも、枚数より回数が少ないということになる」 「まあそうですね」 「また、一番上と一番下も変わらないから、枚数-2以下じゃ」 「……それで、解答はどうなりました」 「結局、こういう解答が見つかる」 「どういう解答です」 「枚数を2で割って行くのじゃ。その答えが奇数になった場合、それに「元の枚数-1」を加える。それで、答えが1になったら、それまでに2で割った回数が、元に戻るまでのシャッフルの回数だ」 「へえ、どうやって証明できます」 「……それが、nmでやった前の説明と、この計算が同じ発想から出ているはずなのじゃが、今見ても自分で分からない」 「……しょうがないね」 「まあ、例えば10枚でやってみよう。nmのやり方だと…… 2 → 3 → 5 → 9(m4) → 8(m3) → 6(m1) → 1 だから、6回目で元の位置に戻った訳じゃ」 「ははあ、数字が半分を超えたらmになる訳ですね」 「そうじゃ。もう一つのやり方は、10の場合、奇数になったら9を足すということで…… 10÷2→5(+9)→14÷2=7(+9)→16÷2→8÷2→4÷2→2÷2→1 という訳で、÷の記号が6つ出たから、同じ6回目という答えが出た」 「どちらも手間は対して変わりませんね」 「上の方が手作業的でわしは好きじゃが、下の方が数学的かも知れないな」 「どこが数学ですか」 「とにかく、本物のカードで並べてみるよりも頭でこうやって考えた方が簡単になる」 「そんなものですか」 「人間の頭は素晴らしいのじゃ。何しろ大きさもまだ分からないような大宇宙が全て入ってしまうのじゃから」 「言っていることと、シャッフルではスケールが違いますね」 「まあ、後の方なら普通の計算プログラムを組むのも簡単だから……」 「それが数学的ってことですか」 「それで、この計算式で、枚数と回数を確認すると、次のようになる。 2枚=1回 4枚=2回 6枚=4回 8枚=3回 10枚=6回 12枚=10回 14枚=12回 16枚=4回 18枚=8回 20枚=18回 22枚=6回 24枚=11回 26枚=20回 28枚=18回 30枚=28回 32枚=5回 34枚=10回 36枚=12回 38枚=36回 40枚=12回 42枚=20回 44枚=14回 46枚=12回 48枚=23回 50枚=21回 52枚=8回 54枚=52回 56枚=20回 58枚=18回 60枚=58回 ってんで、この52枚の8回が他に比べて以上に少ないという数字になるな」 「……なるほど」 「だから、このトランプの枚数は詐欺師が考えたということが分かる」 「……へ……」 「それが13×4という、西洋人が嫌う13と、日本人の嫌う死の数字の積になっているのも……」 「……意味があるんですか」 「まあどうでもいいか」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.30 19:54:26
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