テーマ:謎を解く(186)
カテゴリ:謎を解く
「こんなカテゴリありましたっけ……もう忘れちゃいましたよ」
「パソコンが絶不調だった頃なので……」 「そういえば、パソコンは動いているんですか」 「動かなくなったので、ボーナスで新しいのを買う決意をし、注文を終えたら、翌日から元のパソコンがちゃんと動くようになった」 「おちょくられていますね」 「まあ、それで、今日は『古今和歌集』を読もう」 「あれ……百人一首でしょ」 「そのための伏線じゃ」 「関係があるんですか」 「さて、正岡子規が……」 「古今集でしょ」 「明治の頃の正岡子規は、『歌よみに与ふる書』の続編で、古今集をぼろくそにけなしている。 貫之は下手な歌よみにて、古今集は下らぬ集に有之候(これありそうろう) というのじゃ。その例として、集の最初の歌は代表作であるはずなのに、 年のうちに春は来にけりひととせを去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ が巻頭であるからふざけている。これは年の内の春に生まれた子の年が1つか2つか分からないというのと同じだ……ってんで、さんざんに言っている」 「言われてみると、その通りですね」 「正直に言わせてもらうが、これは子規の読み損ねなのじゃ」 「子規ほどの人が読み損ねますか」 「彼の時代は、和歌……正岡子規が『短歌』と呼ぼうと提唱して、今は短歌と呼んでいるが……とにかく、子規の時代は歌を一首一首、独立させて読むものだった」 「……じゃあ、古今集の時代は違うんですか」 「巻頭の歌は新年を迎える前に春を迎えた歌、続く2首目は、 袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ と、立春だがまだ春を感じないという歌なのじゃ」 「はい」 「こうして、作者は1つ1つ別々に詠まれたものであるが、並べることによって春がだんだん進んでゆくようになっているのじゃ」 「絵巻物みたいですね」 「そう。巻1ではこうして立春から桜か満開になるまでが描かれる。巻2では散り行く桜から始まり、藤の花が咲いて、夏を迎えるまで」 「なるほど……だから、春が来てもその実感がない歌が最初に置かれているという訳ですか」 「もっと仕掛けがあるのじゃが、それは次回」 「また引き延ばす」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.23 06:36:36
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