テーマ:パズル大好き(127)
カテゴリ:パズル
これまでの粗筋
帝が一人の女性、桐壺更衣を寵愛なさるので、大臣が異見申し上げました。帝はこんなことを言い出しました。 女を並べ、最初の日に行った女性を0として、1日目は次の女性から数えて1人目、2日目はその次の女性から数えて2人目……と女性の所へ通い、並んだ女性全てを回るようにしたいという問題をお出しになりました。女性が3人なら、 女性:1 2 3 0 1 ・ 2 となって失敗。4人なら、 女性:1 2 3 4 0 1 ・ 2 ・ ・ 3 でうまくいくというのです。そこで、後宮の華麗三千人といわれる人数で、うまくいく人数を全てあげよ……これが帝のお出しになった問題でございます。 桐壺(その5) 「大臣、どうじゃ。謎は解けたか」 「は……夜も寝ずに、昼寝をして考えました」 「で、どうじゃ」 「はい、123と数字を並べて参りますが、並んだ2つの数の和は必ず奇数になります」 「そうじゃな」 「先日4人まで確認を致しましたが、5人の場合、23と続く数字が合計5になりますので、1人目と3人目が同じ女性になるはずです。 女性 1 2 3 4 5 0 1 ・ 2 ・ ・ 3 ほら、ご覧の通りです」 「なるほど」 「従って、奇数が答えになることはございません」 「うむ」 「偶数でございますが、次の6は3の倍数。3で割った2の前後の3つを合計すると6になり、これも成立致しません」 「なるほどな」 「14人という例も挙げてみましょう。これは7×2ですので、7になる組み合わせ3+4の前後を加えれば、2から5までの和が14となり、成立しません」 「そろそろ核心がつかめたかな」 「はい。つまりこの問題が成立する人数は、因数に奇数のないものということが分かります」 「うむ」 「そうなると、2のn乗ということで、答えになるのは、2人、4人、8人、16人、32人、64人、128人、256人、512人、1024人、2048人。三千人までには以上11通りの答がございます」 「見事じゃ、褒めおくぞ」 「ありがたき幸せ」 「しかし、その方、何度も重役会議を繰り返したようじゃな。みんなで相当苦労した様子」 「は……ご存知でございましたか。実は皆で50人までは確かめました」 「それで、誰かが気付いたということか」 「は、橘の右大将でございます」 「褒美をとらせよ。それから、約束通り、そちの異見を聞くぞ」 こうして、一人だけを寵愛することをお改めになると約束なさいましたが……なかなか思い通りには参りません。またいずれお話し申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.07.06 05:28:25
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