名作落語大全集

「さあ、ぢい散歩は無事王子を見物して……」
「随分手抜きでしたが」
「池袋へ参りました。古代オリエント博物館」
「こちらも有名ですね。サンシャインの脇です」
「今は常設展示で、まあ、古代文明の面白さを」
「マヤ文明では世界が滅びるって言ってました」
「あれはカレンダーで年が代わるのと同じじゃな。大騒ぎをするのがおかしい……わしゃそう思っていた。しかし、実は本当に……」
「何かあったんですか」
「マヤ遺跡の見物人が押し寄せたために、遺跡が壊れてしまった」
「あれ……」

「サンシャインを省略したのは、暴風雨になったから……これでは眺めもなあ……」
「で新宿ですか」
「ということ……それでオペラシティまで来たら、ほら」
「あ……晴れたねえ……さすがは晴れ男」

「篠山紀信の展覧会」
「はい、こちらは終わっております」
「学生時代にアルバイトで色々もらっている。激写文庫、百恵、その他の写真集……文庫はセットで４万２千円……その他計算したら、わしの持っている物全部セットで10万円を越えるんじゃな」
「すごいね……ケチな大家さんだから、お金で価値が計算される」
「テレビのアナウンサーになれるな」
「何です、それ」
「ほら、素晴らしい芸術作品の宝石などを身につけても、その美しさよりも、値段を聞いて歓声を上げる人達じゃ」
「まあ、その程度のレベルですね」

「これ以外はコレクションを展示しているので省略」
「はい……と言いながら画像にパンフレットが出ているし……」

「同じ建物内のＮＴＴＩＣＣ。一般展示は９月24日付で発表した物と同じ」
「同じだろうけど……説明しろよ」
「今回見るのはアノニマス・ライフという展覧会」

「あれ……米朝師匠」
「今回のお目当てがこれ。1月14までのアンドロイド米朝が展示され、落語をやっている」
「へえ」
「てなことで、新宿をもう少し散策致します」