名作落語大全集

「ぢい散歩は新宿御苑に参りました」
「本日はバラをご紹介ってことでしたね」
「バラと言えば、わしはよく似合うって言われるな」
「そうですね……文章だってバラバラ、目鼻もバラバラですから」
「そうほめるな」
「ほめてないって」

「こちらは全体の様子を、白いのはムーンライト、赤いのはチンチンじゃ」
「ワン」
「チンチンしなくていい」
「すみません、つい……」

「後は歩いたコースでご紹介。ニコル」
「大家さんには珍しく、種類の名前が出て来ます」
「前回の柏の葉公園で、色だけ紹介したら、何だか分からないというバカ……いえ、バカに探求心の強い方がいらせられて……」
「はいはい」
「大変だったのじゃ。６月２日には茨城県フラワーパークに行ったが、そこで育てている薔薇が７５０種類、春咲きの物はそのうち６５０種類」
「ひええ……全部紹介しますか」
「ということで、ピックアップして……」
「ですね」

「トランペッター」
「楽器の名前だ」

「エーデルワイス」
「え……エーデルワイスって、もともと花の名前ですよね」
「ねえ……訳の分からない人がつけたのじゃろうな」
「不思議です」

「カウンティ・フェア」
「どういう意味です」
「次行こう」
「……聞いても無駄だったね」

「ゴールド・バニー」
「はい」
「意味は聞かないのか」
「このくらい分かります」

「ピカソ」
「画家ですね。色の組み合わせからでしょうか……」

「ストロベリー・アイス」
「これも色からでしょうね」

「ブラスバンド」
「音楽好きだから、こういう品種は記録しておかないと」

「アラベスク」
「ううん、そのままなのかなあ……」
「はい、とりあえず１０枚の写真をご紹介。次回も続きを……」
「まだやるの」