名作落語大全集

「ぢい散歩は北の丸公園」
「これまたお馴染み昭和館」
「はい」

「夏なので戦争についての研究にはお勧め」
「勉強になりますね」
「ということで、九段下から溜池山王へ移動」
「あれ……もう行っちゃうの」

「ホテルオークラの大倉集古館」
「これもお馴染みです」

「大倉コレクションの精華と題する展示の二回目。横山大観、川合玉堂、伊東深水……という作者名を並べただけでも感動ものじゃ」
「はい」
「ちらしの丸の中にある前田青邨の洞窟の頼朝が今回の話題作」
「見応えありですね」

「続いて菊池寛実智美術館」
「いそがしいねえ」

「菊池ビエンナーレ展という、現代陶芸を集めたもの」
「ちらしも面白いデザインですね」

「これも不思議な造形」
「何だか分からないけれど、魅力は感じますね」

「少し歩いて泉屋博古館」
「今日は忙しいぞ」

「テーマにみる近代日本画。ここは大きくはないが、いい作品を並べているなあ」
「いいですねえ」
「ちらしに使われるくらいだから、横山大観が素晴らしい」
「はい」

「こちらは小林古径の人形。展覧会ではモデルの人形も展示されておる」
「へえ」
「魅力的だったのは上島鳳山の十二月美人。全作品が出ていたが、残念なことに絵はがきが一部のみ」
「はい、もちろん、あるものは手に入れて来たんですね」
「さあ、こうして、神谷町駅から六本木へ向かう」
「忙しいね」
「ゆっくり見ても、今日の美術館は１時間掛けずに見られるから……」
「それにしてもねえ」
「ということで六本木はまた次回」
「続く」