名作落語大全集

「ぢい散歩、今日の最後は国立新美術館」
「はい……今日８つ目の美術館ですね……大変でしょう」
「うん……さすがにもうゲンナリじゃな」
「大変な企画をするからでしょう」

「ここはデザインが面白いね」
「くねくねしています」

「ぜひ六本木ヒルズの上から見て下さい」
「お馴染みですね」

「この日から始まったアメリカン・ポップ・アート展」
「初日ですか」

「こちらお馴染み」
「誰です」

「これも」
「説明が手抜きだね」

「マーケットを利用した作品」
「これも絵になるんですねえ」

「ちらしの裏面はスープ缶。前売券にはスープ付きの物があるのじゃそうな」
「へえ、面白いね」

「気遣いがないのが、こちら。スープ缶の展示で、写真撮影可なのじゃが、後方が窓なので写真を撮してもねえ……フラッシュを焚けばいいのじゃが、回りの人に迷惑な場所で……」
「はい、奥にレジに並んでいますねえ」

「同時に開催されているアンドレアス・グルスキー展。入場は別料金です」
「これもすごい写真ですね」
「先日まで上野の科学博物館でも展示されていたぞ。素粒子を捕まえる装置だったかしら……」
「覚えてないんですね」
「うん、読んだ人が正しい内容を教えてくれるじゃろう」
「いい加減なんだから」

「ということで、こちらは乃木坂駅側の出口」
「明るいね……今日も暑かったですからねえ」

「乃木坂駅の構内」
「結局どうでもいい写真ですね」
「はい、そういうことで、ぢい散歩は以上で読み終わり。
　歩いた距離が万歩計で１５８１６歩、１２．４キロ。
　使ったお金、交通費が九段下から溜池山王まで１６０円、神谷町から六本木までも１６０円。神田または竹橋集合、乃木坂解散後はその他でございます。
　その他の木戸銭は全部で２０００円。絵はがきなど随分買った。１９１０円じゃな」
「細かいね」
「他に昼食……ということで、今回のぢい散歩を終わります」