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「紅葉を求めて南北線の旅、六本木一丁目まで参りました」 「これは……何のビルですか」 「駅の入っているビル」 「そんな写真はいらないなあ」 「泉屋博古館へ参りました」 「これもお馴染み……紅葉ではありませんねえ」 「こちらでは伊万里焼の展覧会を開催」 「はい、今月初め、8日で終了しております」 「チラシの右下の恵比寿様がおかしい。大物が釣れて喜んでいるのじゃろうか」 「抱えて走っているようですね」 「釣り竿を忘れているな」 「あら」 「こちらは文字のデザイン」 「丸と四角も面白いですね」 「お正月前なのでこれを選んだのじゃ」 「得意そうに言っているね」 「これは瓢箪から駒のデザイン」 「二枚並べると、瓢箪の外と中に見えますね」 「これもおめでたく鶴」 「すごいデザインですね」 「大胆で、活動的で……焼き物はどこがどう素晴らしいのかよく分からないけれど、こういう絵の素晴らしさは感じられるな」 「はい」 「さあ、お向かいのスウェーデン大使館へ行こう」 「何があるんです」 「一足早いクリスマスイベント……らしい……アドベントがどうしたこうしたって話をしているが、何だかよく分からない」 「しょうがないね……で、子供の歌ですか」 「その後はお料理。クリスマスの料理らしいぞ」 「へえ」 「向こうではハムがかならず出るんだって。七面鳥のハムもあった。それからシルって言っていたけれど、ニシンの酢漬けのようじゃな。ちっとも汁ではない」 「何ですそれ」 「ミートボールがたれではなくてジャムのようなの……」 「説明する人が理解できてないね」 「それからヤンソンさんという人が料理したという野菜料理」 「写真はないんですか」 「食べるのに夢中で……」 「しょうがないね」 「それでビールをがぶ飲み……色々な料理が出るので、クリスマスはワインでなくビールなんだと」 「それよりねえ……大家さんは、スウェーデンとどういう関係があるんです」 「え……いや、別に……何かやってるなって、中へ入ってボーッと立ってたら奥へ案内されたので……」 「……図々しいね」 「因みに、日本人のような顔をしている人もいたが、一人も日本語は通じなかった」 「迷惑かけてるなあ」 「セントルシアにはまたどうぞ、ってなことを言っていたが……クリスマスのことじゃろうか、何だかよく分からない」 「本当にしょうがない」 「ということで、次の美術館へ参りましょう」 「続く」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.13 06:48:38
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